北海道の内陸部に位置する上士幌町で、アイスバーンでも走行できる自動運転バスが2022年12月末から2023年2月27日まで定期運行している。ソフトバンク子会社のBOLDLY(ボードリー)などが協力している。
車両には仏Navya社の自動運転EVバス「ARMA(アルマ)」が採用されている。色鮮やかで目を引くデザインが印象的だ。
予約は不要で、無料で誰でも乗車可能だ。自動運転バスの公式LINEに友達登録することで、運行状況や運行ダイヤの確認もできる。乗務員を除き8人まで乗車でき、最大時速は20キロとなっている。月曜と木曜、土日に運行している。
より広範囲での自動運転を目指し、運行がない日には、市街地を使ってルートの追加作成のマッピング作業を実施している。
■レベル4の社会実装に向け
上士幌町では、2017年10月に北海道で初の公道における自動運転バスの実証実験を行い、2018年10月には自動運転バスの実証と住民の試乗を、2019年10月には日本初となる公道での貨客混載の自動運転バスの実証を実施している。
2021年12月には、冬季の公道での自動運転バスの実証を行ったが、その際の自動運転の割合は90%で、「積雪・路面凍結・降雪環境での自動運転」を検証した。これまで4年間の実績を積んでおり、事故は起きていないという。
上士幌町は自動運転レベル4の社会実装に向けて、「実装化を見据えた長期の冬季間運行」「町内主要施設をカバーする運行ルートの設定」「既存の公共交通が運行しない曜日の補完」に引き続き取り組んでいくようだ。
今後、経済の活性化や財政負担の軽減、外出機械の創出を目指し、高密度なルートとバス停を設けてオンデマンド運行や貨客混載を取り入れ、さまざまなニーズを満たす移動を実現していく。
■自動運転技術はここまで進化!
北海道に限らず、アイスバーンは自動車事故の原因となりえる。BOLDLYのYouTubeでは上士幌町で実施されている今回の実証で、雪道やアイスバーンでも自動運転バスがスムーズに走行している様子が確認できる。自動運転技術は、ここまで進化した。
▼自動運転バス定期運行|北海道 上士幌町
https://www.kamishihoro.jp/sp/self_driving_bus
【参考】関連記事としては「米エンバークトラック「雪道での自動運転技術を2022年冬までに確立」」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)