「自動配送ロボ」の未来を担う15社、どんな顔ぶれ?

経産省が一覧作成、機体メーカーなど

B!
出典:経済産業省

経済産業省は2022年5月15日までに、自動配送ロボット関連企業を取りまとめた調査報告書を公表した。

企業は「主にサービス/ソリューション」「主に機体・メーカー等」「主にシステム等」という3つのカテゴリーに分類されており、計15社となっている。どのような企業が含まれるのか紹介しつつ、各カテゴリーにおける主な企業のこれまでの取り組みの一端に触れていく。

■「主にサービス/ソリューション」に含まれる企業

三菱商事は2020年12月に、岡山県でドラッグストアと周辺店舗の商品を複数の目的地に配送する自動配送ロボットの公道実証を、2021年4月には茨城県で近隣農地の農作物を集荷して道の駅に納品する実証などを遠隔監視で実施した。

楽天グループは自動配送ロボットを活用すべく、ユーザーと店舗向けのシステムを開発している。商品配送用ボックスの開発とサービス実用化にも取り組む。京セラコミュニケーションシステムは、車道走行が可能な自動走行ロボットを活用し、配送や移動販売サービスの開発と実証実験の支援を行なっている。

佐川急便は再配達削減に向けた配送ロボットの活用検討と、荷受人が受け取りやすい方法を模索している。マンションや商業施設内での効率の良いロボット配送の研究も進めている。

■「主に機体・メーカー等」に含まれる企業

自動運転ベンチャーのZMPは、自動運転車両や自律走行の物流ロボットなど、人とモノの移動を自由にするロボットと、人とロボットが共生する社会におけるロボットインフラを提供している。

実業家の堀江貴文氏が取締役として参画する自動配送ロボット開発のHakobotは、走破性と堅牢性を持ち合わせた走行ユニット「Hakobase」を開発している。

物流系ITスタートアップのYperは、物流業界の配送員不足を解消するため、24時間無人配送可能な自動配送ロボット「LOMBY(ロンビー)」を開発し、物流のラストマイル課題に取り組んでいる。

川崎重工業の社長直轄プロジェクト本部近未来モビリティ総括部では、多用途UGV(無人走行車両)や自動配送ロボットの機体・システムの事業化を目指している。

■「主にシステム等」に含まれる企業

ティアフォーは世界初の自動運転のオープンソースソフトウェア「Autoware」を開発している。

システム開発大手のTISは、マルチロボットプラットフォーム・インテグレーション・コンサルティングと、屋内外のフィールドを想定したサービスロボットの導入を包括的にサポートするサービスを展開する。

■切磋琢磨しあってこそ・・・

製品や技術、サービスは各社が競い合ってこそ、切磋琢磨しあってこそ、ブラッシュアップされ、実用化の時期も早まっていく。各社の積極的な取り組みに期待したいところだ。

▼自治体の自動配送ロボット等の利活用促進に向けた調査
https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/20220503_relatedcompanies.pdf

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事