JRが新幹線の自動運転実現に向け、前のめりだ。2021年11月にJR東日本が国内で初めて新幹線による自動運転の実証実験を行い、このほど、JR西日本も新幹線の自動運転実現に向け2022年度から実証実験を行うことを発表した。
■北陸新幹線の白山総合車両所で実施へ
JR西日本による実証実験は北陸新幹線の白山総合車両所で行われる。新幹線W7系1編成(12両)を用いて、運転士が乗務した状態でATC(自動列車制御装置)によって速度制御を行うという内容だ。
さらに具体的に言うと、走行計画に沿って加速・減速・一時停止などを行い、定められた位置に停車させるということを検証し、機能の評価や課題の抽出を行う。自動運転を導入し、安全性の向上などを目指すという。
自動運転が導入されれば、JR西日本は人というリソースを、人間の強みを発揮できる業務に使うことができる。そうすればJR西日本のサービスの質がさらに向上することも期待される。
ちなみに2021年11月にJR東日本が行った実証実験では、自動運転に伴う車両の揺れなどはほとんど発生せず、トラブルもなく、実験は成功をおさめているようだ。
■JR西日本の「技術ビジョン」をチェック
JR西日本は、20年後を見据えて2018年3月に策定した「技術ビジョン」で自動運転技術について言及しており、自動運転技術の開発を同社が重視する取り組みの1つと位置付けている。
自動運転技術の開発ほか、ITS(高度道路交通システム)などとの連携による踏切事故の低減や、ほかの交通手段との連携によるシームレスな移動サービスの提供、loTやAI(人工知能)の活用による生産性の向上などにもチャレンジしていくという。
JR西日本の技術ビジョンは以下から確認できる。関心がある人は中身を一読してみてほしい。
▼JR西日本 技術ビジョン
https://www.westjr.co.jp/company/action/technology/vision/pdf/vision2018.pdf
【参考】関連記事としては「第2青函トンネル構想!道路部分は「自動運転車」限定 JAPIC提言に注目」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)