経済産業省は「MaaSコーディネーター」の創出を目指す。MaaSを地域で展開する際、人的資源や車両、データを活用しながら「全体最適的にオペレーションする」存在だという。
経産省がMaaSコーディネーターの創出に言及したのは、2022年4月5日に公表した資料「令和4年度スマートモビリティチャレンジの方向性」においてだ。
MaaSの実現、そしてマネタイズに向けては、利害関係がある交通事業者間の連携が必要となるなど、さまざまなハードルが横たわる。MaaSコーディネーターがこうした課題の解決においても活躍する存在となれば、日本におけるMaaS普及に弾みが付きそうだ。
▼令和4年度スマートモビリティチャレンジの方向性
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/smart_mobility_challenge/pdf/20220405_03.pdf
■ほかの取り組みの方向性は?
上記の資料ではMaaSコーディネーターに関する内容がそれ以上触れられていないため、この記事の後半では、令和4年度(2022年度)における「MaaSコーディネーターの創出」以外の2つの取り組みの方向性について触れていく。
MaaSコーディネーターの創出以外の取り組みの方向性の1つ目は、国内MaaSを普及させるべく、今後の活動においては「各地域内外の関係者のニーズも集めながら、最大限効率的に活動を行う」というものだ。
2つ目は、2021年度から引き続き取り組む「地域新MaaS創出推進事業」だ。2022年度も前年と同様に「5つのテーマ」を軸にしながらMaaSの実証を実施していく上で、事業性や社会受容性、体制面などで共通する課題を評価・分析し、計画的・意欲的に取り組む地域を採択し、連携を強化していくという。「5つのテーマ」とは以下の通りだ。
- 他の移動との重ね掛けによる効率化
- モビリティでのサービス提供
- 需要側の変容を促す仕掛け
- 異業種との連携による収益活用・付加価値創出
- モビリティ関連データの取得、交通・都市政策との連携
■これまでにはなかった新たな役割が誕生
モビリティ業界が発展すると、これまで当たり前にあった仕事がなくなることもあるが、逆に「MaaSコーディネーター」のようなこれまでにはなかった新たな役割も誕生する。
MaaSコーディネーターがどのように活躍することになるのか、より詳しい情報は追って明らかになっていくものとみられる。新たな情報が出てきた際には、改めて記事で紹介したい。
【参考】関連記事としては「MaaS解説(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)