三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区/取締役:漆間啓)は2021年12月26日までに、コンセプトカー「EMIRAI xS Drive(イーミライ・エックスエス・ドライブ)」を開発したことを発表した。
EMIRAI xS Driveは、乗員モニタリング技術とヘッドライト配光制御技術を搭載した車で、2022年1月に米ラスベガスで開催される世界最大の技術見本市「CES 2022」に出展する。
■近赤外線カメラと電波センサーで乗員監視
EMIRAI xS Driveの車内には近赤外線カメラと電波センサーが設置されており、ドライバーや同乗者のモニタリングやADAS(先進運転支援システム)機器と連携したヘッドライトの配光制御により、安心・安全な移動を提供できるという。
近赤外線カメラは顔情報だけでなく、脈拍数や呼吸数などの生体情報も解析可能で、覚醒度低下や体調の急変を検知することができる。そのため、ドライバーに休憩の提案や緊急時の急停止を指示することで、事故防止につなげることができるという。
さらに、近赤外線カメラと電波センサーを組み合わせることで、乗員の有無や体格を検知し、幼児だけで取り残されていないか判定することができる。
電波センサーは、電波の反射・透過する性質を利用した信号処理により、近赤外線カメラの死角になる毛布に包まれた幼児なども検知することができ、幼児置き去り検知の高精度化を実現するという。
■ヘッドライトがドライバーの視線に連動
このほか、ADAS機器と連携したヘッドライト配光制御技術を活用することで、夜間の運転時におけるリスクを軽減することが期待できる。
ヘッドライト配光制御技術にはHDL(高精度ロケータ)とDMS(ドライバーモニタリングシステム)が活用されており、前方の道路形状やドライバーの視線に連動したヘッドライトの配光制御を実現したようだ。
三菱電機は2020年1月の「CES 2020」に、コンセプトキャビン「EMIRAI S」を出展している。その後、安全技術をさらにパワーアップさせた「EMIRAI xS Drive」はCES 2022でも注目を集めることになりそうだ。
【参考】関連記事としては「センサー市場過熱、HMI超進化…2020年の潮流が見えた!自動運転やコネクテッド領域」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)