大手農業機械メーカーの株式会社クボタ(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:木股昌俊)は2019年1月20日までに、自動運転機能を備えた農機「アグリロボ」の商品ラインナップを拡充することを発表した。
クボタは、すでに自動運転に対応する中型トラクタ「アグリロボトラクタSL60A」と普通型コンバイン「アグリロボコンバインWRH1200A」を発売している。これらの農機に次いで、新たに3種類の自動運転に対応した農機を2020年までに市場投入するという。
1つ目は100馬力の動力を備えた大型トラクタ「アグリロボトラクタ」だ。レーザースキャナーと超音波ソナー、4台のカメラを装備しており、障害物を検知したり、離れた場所にあるタブレットデバイスで周囲の状況を確認したりこともできる。
加えて、GPS(全地球方位システム)などの測位衛星と、地上にある基準局との両方から電波を送受信できるRTK(リアルタイム・キネマティック)-GPSも搭載されている。RTK-GPSの高精度な農機位置の特定によって、作業範囲が重ならないような調整も可能だ。
2つ目の田植え機「アグリロボ田植機」と3つ目の「アグリロボコンバイン」は、どちらも操縦者の乗車が必要だ。しかし田植え作業や刈り取り作業を自動で行ってくれるため、作業者は安全状況や進捗状況の確認に集中することができるという。
■狙いはスマート農業の実現
クボタが商品ラインナップを拡充し、その全てに自動運転機能を装備する先に見据えるのは、農業にかかる手間を省き精度を向上させる「スマート農業」を実現させることだ。日本の農業には現在、高齢化に伴う離農なども影響している人手不足などの課題が山積している。
農機の自動運転化は農業が抱えている課題解決の糸口として期待されており、クボタの取り組みに対する期待は農業界でも大きい。
【参考】関連記事としては「【各社戦略まとめ】自動運転農業機械に秘めた可能性 スマート農業市場、2025年に120億円市場」も参照。