自動運転車にとって「電力」は命だ。センサーも車載装置もAI(人工知能)動力の源は電気であり、電力の供給が絶たれた場合、その場で動けなくなることはもちろんのこと、公道を走行中にこうした事態に陥ると、大きな事故に結びつく可能性も大きくなる。
こうした課題がある中、トヨタグループの自動車部品大手である株式会社ジェイテクト(本社:愛知県名古屋市/取締役社長:安形哲夫)が、興味深い報道発表を行った。自動運転のバックアップ電源としての活用も視野に入れた「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」の量産を開始したという内容だ。
キャパシタとは簡単に言えば、物理的に電力を充放電する蓄電池のことで、蓄電容量は少ないが高エネルギーを一度に放出することが可能だ。耐熱性に課題があったが同社が特許技術で使用可能な温度幅を広げ、最大でマイナス40度からプラス105度までの環境で使用可能になるという。
元々は電動パワーステアリング(EPS)の補助電源装置として開発されたものだが、自動運転でのバックアップ電源としてのほか、鉄道や交通インフラなどでの活用も今後視野に展開を進めていくという。
【参考】関連記事としては「自動運転時代は「ハンドル格納機能」がアツい トヨタ系ジェイテクトの考え方」も参照。