人間が運転する必要がなくなる自動運転時代には、車内空間で自由に過ごす時間が増えることになる。現在は運転中使用することができないスマホも使えるようになるため、移動中の時間を活用して動画閲覧や、オンラインゲームなどをする時間も増えるはずだ。必然的に通信データ量が増えるので、自宅と同じように無制限で使えるWi-Fi環境が求められるようになる。
こうした将来のニーズを見据え、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区/社長:吉澤和弘)は2019年7月18日までに、車内向けのWi-Fi通信サービスを開始することを発表した。
■定額でデータ使い放題、選べる3つの利用期間
サービス名は「docomo in Car Connect」で、走行中の車内で高速データ通信をWi-Fi環境で利用できる。人口カバー率99%のドコモLTEを活用するため、日本全国の幅広いエリアで通信が可能だ。
データ通信量の上限や通信速度制限などがなく、定額で使い放題な点にも注目したい。スマートフォンの契約プランのように、使いすぎると通信速度が遅くなることがないため、動画や音楽ストリーミング、オンラインゲームなどのリッチコンテンツも気軽に楽しめるという。
利用期間は3種類から選ぶことができる。最短の1日プランは500円、30日プランは1500円、365日プランは1万2000円だ。車で旅行する1日だけ、1か月の出張中だけなど、利用用途に合わせたプラン選びができる。
■ドコモユーザー以外も利用可能
docomo in Car Connectのサービス提供開始は2019年9月10日から。現時点では日産自動車が2019年秋に発売する予定の「スカイライン」とパイオニア株式会社が2019年秋以降に発売する予定のカーエレクトロニクス製品で利用することが決まっている。対応機器については、順次拡大していく予定だという。
サービスを利用するためにドコモ回線を持っている必要はなく、NTTドコモが無料で発行するdアカウントを持っていればOK。現在dアカウントを持っていないユーザーもネット上の手続きだけで発行することが可能だ。
自動車の自動化とコネクテッド化が進む中、車内エンタメなど自動車のデータ通信需要は増加していくと予想されている。ほかの通信キャリアが参入してくれば、競争が激しくなってきそうなサービスだ。
【参考】関連記事としては「自動運転車の中での行動、エンタメ58%、SNS57%、仕事56% インテル調査」も参照。