クルマの運転が自動化されると交通違反が大きく減ると言われており、ドライバーから徴収する違反金の額はゼロに近づいていくだろう。
警視庁によると2017年度の違反金総額は約605億円だ。このうち、速度違反や携帯電話の使用、信号無視など自動運転技術で無くなる違反は9割近くに上ると言われている。つまり金額にして約540億円もの違反金が無くなる。
違反金が無くなると果たしてどんな影響があるのか。
反則金は一般会計として一旦国に収められたあと交通安全対策特別交付金として都道府県・市町村に渡る。その使い道については細かく決められている。もちろん「警察官の懐に入る」「警察の予算が増える」というわけではない。
主な使い道は「信号機」「道路標識」「横断歩道」「ガードフェンス」「ミラーの設置など」だ。反則金はこうした道路整備の一部として利用されている。自動運転車の普及によってこれらのインフラを支える予算が減ってしまえば、この約540億円のお金は別の財源で確保する必要が出てくる。
例えばガソリン税で補うとすれば約3円ガソリン価格が上がることになる。ほか、支出削減やほかの予算の振り分けなどで賄うことも考えられる。いずれにしても自動運転車の普及に向けて、こうした税収の問題もクリアしなければならない。
自動運転車は私たちにとってより安全で快適なクルマとして将来的に受け入れられていくと思われる。ただこのように、自動運転車の普及を見越して改善が必要な仕組みもある。違反金問題については、今後国が考えていかなければいかないトピックの一つだろう。
【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転車の実現はいつから?世界・日本の主要メーカーの展望に迫る|自動運転ラボ」も参照。