高速バス大手のWILLER株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役:村瀨茂高)は2021年6月21日までに、新しいスタイルの「共有交通」として、AIシェアリングモビリティサービス「mobi」をローンチした。いわば「お抱え運転手」を一定エリア内で共有するといったサービスだ。
■「呼ぶと平均10分で迎えにくる」
mobiは定額の月額料金を支払うと、一定エリア内で運転手付きの車両が乗り放題となるサービスで、「呼ぶと平均10分で迎えにくる」ことなどが特徴だという。このスピーディーさは、AIによるルート最適化技術が成せる技だ。
月額料金は5,000円で、同居家族は6人まで1人当たり500円で追加登録できる。そのため、家族利用であればかなりコストパフォーマンスが良くなる。
特定エリア内でのサービスのため、このサービスでの移動先は限られるが、通勤時の最寄り駅までの利用、保育園・幼稚園の送迎、高齢者の通院、スーパーへの買い出しなど、さまざまな用途が考えられる。
報道発表によれば、サービス提供は京都府京丹後市で6月30日から、東京都渋谷区では7月1日から始まる予定だという
■将来的には車両が自動運転車に?
今回WILLERがローンチしたmobiだが、将来的には車両が自動運転車に置き換わることも十分に考えられそうだ。その理由は、WILLERはシンガポールで自動運転バスの有償運行を行うなど、自動運転移動サービスの商用化に力を入れているからだ。
もちろん将来どうなるかはWILLERの意向次第だが、mobiのサービスに自動運転車が導入されれば人的コストが軽減され、事業の収益性が高まるとともに、移動手段としての持続可能性も高まるとみられる。
「MaaS」や「自動運転」の領域はまだまだ発展途上で、業界全体として向かうべき方向性も一つに定まっているわけではないが、WILLERの「共通交通」×「自動運転」のマッシュアップは、かなりの可能性を秘めている気がする。
【参考】関連記事として「高速バス大手、自動運転への挑戦 WILLERの取り組みをたどる」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)