米小売大手のウォルマートは2020年12月15日、物流拠点と小売拠点の間の「ミドルマイル物流」において、安全要員すら乗せない自動運転トラックを導入すると発表した。まず2021年から米南部アーカンソー州で導入をスタートする。
中長距離向けのボックス型自動運転トラックを開発する米Gatik社と協力し、導入を進める。Gatikとウォルマートはこれまでも自動運転トラックでの配送について、安全要員を乗せた状態での取り組みを進めてきた経緯があり、すでに7万マイル(約11万キロ)以上の走行実績があるという。
アーカンソーでは、商品の在庫を保管している物流拠点から約3キロ離れた小型店舗までの商品搬送で、無人の自動運転トラックが活用される見通しだ。
また報道発表では、温度調整も可能なボックス型自動運転トラックの開発を進めていることも発表されたほか、いずれはスーパーマーケットなどの小売拠点から注文客が商品を受け取るピックアップポイントまでの間で、自動運転トラックを導入することも計画しているという。
ちなみにガティックとウォルマートとの取り組みについて、過去にGatikが公式YouTubeチャンネルで動画を紹介している。以下がその動画だ。
■2017年に創業したばかりのスタートアップ
ウォルマートに自動運転トラックを提供するGatikは2017年に創業したばかりのスタートアップ企業だ。わずか数年でウォルマートと組むまでに成長を果たせたのは、自動運転技術に関する専門知識を有したエンジニアたちによって設立された企業であるからだ。
最近ではカナダの小売企業Loblowとの提携も発表され、カナダの主要都市トロントでGatikのボックス型自動運転トラックを導入する計画が発表された。
ちなみにGatikの公式サイトは「https://gatik.ai/」だ。ミドルマイル物流に焦点を当ててボックス型自動運転トラックを開発していることなどが紹介されている。
今後もウォルマートでGatikのボックス型自動運転トラックが導入されることが続けば、ウォルマートは小売大手であるだけに、Gatikは自社製品・技術の大きな買い主を得たことになる。そうすればGatikが企業として大きな成功を収めることにつながりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転で「ミドルマイル物流」に照準!米Gatikの存在感急上昇」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)