東武鉄道株式会社(本社:東京都墨田区/取締役社長:根津嘉澄)は2021年5月16日までに、「GoA3」(添乗員付き自動運転)の実施に向けた検証を開始することを発表した。
2023年度以降に検証運転を開始し、国土交通省鉄道局による「鉄道における自動運転技術検討会」での議論を踏まえつつ、将来的にはGoA3での実運行を開始することを目指す。
■GoA3検証、大手私鉄では初の取り組み
GoAとは「Grade of Automation」の略で、鉄道の自動運転の業務形態による分類のことだ。0〜4までレベルが定義されており、GoA3は上から2番目の段階に相当する。
日本の電車は現状、速度超過時の自動減速や事故発生時の自動停止といった運転支援機能を搭載しているが、GoA1(非自動運転)がほとんどだ。地下鉄では一部の操作が自動化されるGoA2(半自動運転)が導入されているケースもある。
一方で日本ではGoA3(添乗員付き自動運転)とGoA4(完全自動運転)については、踏み切りがある地上の鉄道では実導入されていない。東武鉄道はGoA3導入に向けた検証を始めるが、これは大手私鉄では初の取り組みになるという。
検証運転は東京都足立区の東武大師線の西新井~大師前間1キロの区間において実施するという。
■鉄道でも進む自動運転化の取り組み
東武鉄道に限らず、鉄道各社では自動運転化に向けた取り組みが進む。
JR東日本は2018年7月に策定したグループ経営ビジョン「変革2027」でドライバーレス運転の実現を目指すことに言及しており、2021年2月には自動列車運転装置(ATO)を順次使用開始することを発表している。
JR九州は2020年12月から自動列車運転装置の実証運転を開始した。将来的にはGoA2.5を目指すという。GoA2.5は、GoA2とGoA3の中間として定義されているレベルとなる。
自動運転といえば自動車にスポットライトが当たりがちだが、鉄道の自動運転化も着実に進んでいるというわけだ。
【参考】関連記事としては「鉄道の自動運転レベル、GoA0〜4の定義や導入状況を解説」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)