「空飛ぶクルマ」を開発中の東京大学発スタートアップのテトラ・アビエーション株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役:中井佑)は2020年2月24日までに、アメリカでの試験飛行許可を取得したと発表した。日本企業としては初めての許可取得だという。
同社は実機体でのアメリカ国内でのデモ飛行・テスト飛行を行うため、米国連邦航空局(FAA)に試験飛行許可を申請し、書類審査や実地調査などを経て承認された。具体的には「Special AC」(特別耐空証明)と「COA」(飛行許可証)を取得したという。
Special ACは研究開発用の航空機などのアメリカ空域での飛行を許可する認可で、COAはアメリカ空域で無人航空機を運用する際に必要となる認可。この2つの認可を受け、同社が開発中の垂直離着陸航空機「teTra Mk-3E(テトラ3)」は実機体での飛行試験フェーズに入る。
テトラ・アビエーションは2月27日〜29日(米国時間)、シリコンバレーの「NASAエイムズ研究センター」で開催される空飛ぶクルマの世界大会「GoFly」の決勝に参加する。日本から決勝に残っているチームは同社のみで、今回の許認可によって決勝での勝利に向けた最終的な調整を行う。
■決勝に残ったほかの「空飛ぶクルマ」は!?
テトラ・アビエーションが参加するGoFlyには、世界中から空飛ぶクルマの開発企業が参加している。参加したチームは103カ国855チームに上り、そのうち決勝に残ったのは24チームだ。テトラ・アビエーションのほかにも、興味深いチームが複数ある。
▼決勝進出チームの一覧は下記
https://goflyprize.com/teams/
ラトビアとロシアの混合メンバーのチームが開発する空飛ぶクルマ「Aeroxo」は、最新の無人飛行システムを搭載したエアモビリティだ。1000キロ圏内であれば悪天候の環境下でも制御可能で、クラウド上で情報を管理することでAeroxoの状況をリアルタイムで把握できるという。
ネパールのチームが開発する「KiiRA」は、空陸両用のエアモビリティである。ヘリコプターと車椅子を合体させたかのような見た目で、個人移動での活用が期待されている。「道路モード」と「フライトモード」を手動で切り替え可能だという。
また、スペインのチームが手掛ける「GYROBIKERS」は、コックピットの上に大きなプロペラが一枚ついたデザインのエア・モビリティだ。現在、特許申請に向けて準備中のため、詳細は公表していない。
決勝はいよいよ2月27日から始まる。テトラ・アビエーションが栄冠を手にするのか、ほかのチームが勝つのか、結果に注目だ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)