「空飛ぶクルマ」を開発中の東京大学発スタートアップのテトラ・アビエーション株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役:中井佑)は2020年2月16日までに、自社開発のeVTOL(電動垂直離着陸機)が空飛ぶクルマの国際コンテスト「GoFly」の最終飛行審査である「Final Fly Off」に進んだと発表した。
最終飛行審査は2020年2月27日から29日で、米国ベイエリアのNASAエイムズ研究センターにて実施される。「GoFly」は、航空機世界大手の米ボーイング社がメインスポンサーとなり、2018年から2年にわたって行われている一人乗りのエア・モビリティ開発コンテストだ。これまでに103カ国855チームが参加、最終飛行審査には24チームが勝ち残ったが、そのなかでテトラ・アビエーション社は日本から唯一選ばれたという。
テトラ・アビエーション社のeVTOLは2018年6月に行われたこの「GoFly」の第一次審査で世界トップ10に選出されている。その後、2019年3月の第2次審査を通過し、最終飛行審査出場が決定したという。なお、このコンテストの賞金総額は2百万ドル(約2億円)で、当日の模様は主催者からYouTubeで配信される予定だ。
■テトラ・アビエーションってどんな会社?
テトラ・アビエーション社は次世代交通として注目される「空飛ぶクルマ」を開発中の企業だ。東京大学発のスタートアップで中井佑氏をリーダーとし、学生や元大手重工メーカーの社会人など10人がコアメンバーだという。フラグシッププロジェクトを「teTra」と名付け、2023年に空飛ぶクルマを実用化させることを目指している。
2019年5月には、空飛ぶクルマの1/1サイズの試作機の製作に乗り出している。エンジェル投資家の千葉功太郎氏が設立した「Drone Fund」、創業期の投資・育成に特化しているベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」などから資金調達を行ったようだ。
また、2019年10月には米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のAI(人工知能)スタートアップ支援プログラムである「NVIDIA Inception Program」のパートナー企業に認定された。具体的にNVIDIA側がどのような支援を行うかは明らかになっていないが、前述の「GoFly」の飛行審査に向けての支援を提供するものとみられている。
■【まとめ】空飛ぶクルマ業界で注目、コンテストの結果は?
日本国内ではSkyDrive社などのスタートアップ企業が空飛ぶクルマの開発を精力的に行っているが、テトラ・アビエーション社も大手企業から資金調達や支援を受けるなど、いま業界で注目されている。
この「GoFly」でテトラ・アビエーション社の和製eVTOLがさらに世界で名を馳せるか、開催を心待ちにしたい。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。