静岡県は2019年11月19日までに、2018年から進めている「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」で、公道での実証実験を2019年11月25日からスタートさせると発表した。開始当日は開会式も行われ、関係者の試乗や報道試乗会も行う予定だという。
さてこの「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」とはどういった取り組みなのか。
■「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」って?
静岡県では、高齢化によるバス乗務員の不足やバス路線の維持、高齢者などの免許返納後の移動手段、公共交通のICT化の遅れなど、地域交通の課題が山積している。そんな課題を克服するために2018年に発足したのが「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」だ。
「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」のShowCASEとは、静岡が先進技術での全国のお手本になるように、との思いが込められている。同プロジェクトはEV(電気自動車)や自動運転車両などの次世代自動車の研究によって県内企業の技術開発を促進することがねらいで、11の企業と2つの大学と協定を組んでいる。
これまでは袋井市にあるエコパスタジアム周辺を先進技術の実証実験の地として活用してきた。
■公道実証第1弾が松崎町でスタート
このプロジェクトにおいて、公道での自動運転の実証実験がいよいよ今回始まるというわけだ。第1弾は2019年11月25日〜12月5日のうちの10日間で、県内の松崎町の公道で実施する。
実証実験では2018年創業のタジマEVの超小型モビリティを使う。具体的には、岩科学校から八木山バス停の区間の約2.7キロを自動運転モードで走行するというもののようだ。実証実験には自動運転向けマップの作製を手掛けるダイナミックマップ基盤や経路検索大手のヴァル研究所なども参画する。
この実証では生活拠点と集落をつなぐ運行により、過疎地域における生活環境の改善と安全な移動サービスの実現の可能性を検証する。松崎町の住民約100人にモニターとして試乗してもらい、自動運転に関するアンケートも行う。
松崎町の後には、下田市や沼津市の公道でも実証実証を行う予定だという。
■【まとめ】課題を解消すべく県をあげて
静岡県は過疎地域の交通課題だけでなく、観光地や住宅密集地での交通課題も抱えている。だからこそその課題を解消すべく県をあげて取り組んでいる。松崎町での公道実証を皮切りに他の自治体でも続く実証を含め、今後も静岡県の「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」に、ほかの自治体関係者も注目している。
▼しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト
https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-570/20190822.html
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