LINEグループは2020年4月17日までに、福岡市における観光型MaaSの実現を目指すプロジェクトが、福岡市実証実験フルサポート事業「観光・交通テック」に採択されたことを発表した。
この福岡市実証実験フルサポート事業は、 福岡市がAI(人工知能)やIoTなどの先端技術を活用したプロジェクトを全国から募集し、福岡市での実証実験を全面的にサポートする取り組みで、2016年度から始まった。
今回は「観光・交通テック」に関するプロジェクトの募集があり、LINEとLINE TICKET、LINE Fukuokaの提案が採択された形だ。LINE TICKETはLINE子会社で、LINEプラットフォームを活用した電子チケットサービスを展開する企業だ。
■LINEアプリだけで福岡市観光と移動を支援
LINEグループは、LINEアプリだけで福岡市観光と移動を支援するプロジェクトを2つ提案した。キャッチコピーは「LINEひとつで福岡市観光をアシスト」だ。
1つ目は、電子チケットサービス「LINEチケット」を活用した観覧券の事前購入と決済を可能とするプロジェクトで、実施期間は2020年6月から2021年3月末まで。
2つ目は、地下鉄のモバイル切符の購入や乗車を専用アカウントで可能にするプロジェクトで、実施期間は2020年8月から2020年11月末までとなる。
同社は「新たなアプリをダウンロードしたり、目的ごとに複数のアプリを使用したりする必要のないスマートな観光体験を提供し、福岡市における観光型MaaSの実現を目指します」としている。ただし、新型コロナウイルスの状況を考慮し、実施期間を変更する可能性もあるという。
■【まとめ】2030年に6兆円規模!?有望市場に参入相次ぎそう
民間調査会社の矢野経済研究所が2019年2月に発表した推測によると、2030年の国内MaaSの市場規模は6兆3600億円にまで拡大するとみられている。MaaSの将来性の高さを踏まえ、今後は参入者が増えそうだ。
観光型MaaSは観光地の誘致に向けた取り組みとしても期待がかかる。LINEが福岡市の観光型MaaS実現にどのように貢献していくのか、実際のプロジェクトがスタートするのが楽しみだ。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)