米Appleの「車」に関するニュースが、ここ数日盛り上がりを見せている。Apple製のEV(電気自動車)が2021年9月に発売されるというトピックと、2024年に自動運転車を製造するというトピックだ。
コンピュータの開発から歴史が始まり、音楽プレイヤー、そしてスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチへと事業領域を拡大してきたApple社。同社からの公式発表は相変わらずないが、Appleは本当に自動車を発売するのだろうか。
■2024年に自動運転車を製造?
この数日話題になったトピックスは前述の通り2つだ。
まずロイター通信が関係筋の話として報じたところによると、Appleが自動運転車の開発を進めており、2024年の乗用車の製造開始を目指しているという。自社開発の最先端の電池が搭載される見通しで、価格を抑え、長距離走行が可能な電池の開発を今後進めていくという。
一方、Appleはファブレスメーカーの代表格であることから、自動運転車を製造する場合は最終的には他企業に製造を委託するはずだ。ただ、Appleはすでにアメリカ国内で自動運転車の走行実験を行っていることを考えれば、少なくとも自動運転システムは自社で開発することが予想されそうだ。
ちなみに報道によると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、製造の開始は2025年以降に後ろ倒しになる可能性もあるという。
■2021年9月にEVを発売開始?
もう1つのトピックが、EVを2021年9月に発売するというものだ。台湾の経済メディア「経済日報」が報じたもので、Appleの主要サプライチェーンの関係筋の話として報じている。
ニュースではそのEVのことを「Apple Car」と呼んでおり、すでに発売開始に向けて米カリフォルニア州で走行試験が行われているという。確かに自動運転車に比べるとEVの方が技術的には完成させるのが難しくなく、2021年9月発売もあり得る気がしないでもない。
■2021年はAppleから何らかの公式発表はある!?
自動運転車についても、EVについても、関係筋の話でしかない。そのため、本当のところは分からない。ただ自動運転に関して言えば、Appleは2014年に自動運転車開発プロジェクト「タイタン」を立ち上げ、その頃から開発に取り組んできた。
2017年にはカリフォルニア州で3台の自動運転車の試験許可を取得し、CEOのティム・クック氏も自動運転システムの開発に取り組んでいることを公言していた。2019年には自動運転技術開発の米スタートアップ企業のDrive.aiを買収したことでも知られている。
一方で、2016年にこのプロジェクトに関わっていた職員の大部分を解雇し、2019年にはさらに190人をレイオフ(一時解雇)している。そしてここに来ての「2024年に製造開始」の報道だ。正直、どう捉えてよいか難しいと感じる人も少なくないだろう。
2021年はAppleから何らかの公式発表はあるのだろうか。気になるところだ。
【参考】関連記事としては「イーロン・マスク氏、過去にAppleにテスラ売却を打診 Twitterで発言」も参照。