KINTOテクノロジーズ株式会社(本社:愛知県名古屋/代表取締役社長:小寺信也)は、トヨタグループ各社が展開するモビリティサービスやビジネスをテクノロジーで支援するために創設されたテックカンパニーだ。同社の第4期(2024年4月〜2025年3月)決算公告が官報に掲載されている。
当期純利益は、前期比30.3%減の3億6,655万円であった。具体的な同社の事業を見ていこう。なお、これまでの純損益の推移は以下の通りとなっている。
<純損益の推移>
・第1期:4億6,975万円
・第2期:7億8,935万5,000円
・第3期:5億2,555万4,000円
・第4期:3億6,655万6,000円
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■決算概要(2025年3月31日現在)
貸借対照表の要旨(単位:千円)
▼資産の部
流動資産 1,401,246
固定資産 1,078,445
資産合計 2,479,692
▼負債及び純資産の部
流動負債 1,966,811
・役員賞与引当金 9,950
・賞与引当金 546,794
固定負債 120,664
・役員退職慰労引当金 2,625
・退職給付引当金 118,039
株主資本 392,216
・資本金 10,000
・利益剰余金 382,216
・・利益準備金 2,500
・・繰越利益剰余金 379,716
・・(うち当期純利益)(366,556)
負債・純資産合計 2,479,692
■何をしている会社?
KINTOテクノロジーズは「モビリティプラットフォーマーのトップランナーとして 一人ひとりの『移動』に『感動』を」をビジョンに、デジタル分野における情報システムの設計や、開発、運用管理、販売などの情報処理サービスのほか、企業経営戦略、マーケティング戦略の企画、立案およびコンサルティングに関する業務を行っている。
具体的なプロダクトとしては、クルマのサブスク「KINTO ONE」や「KINTO ONE中古車」、KINTO ONEにアップグレードとコネクティッドサービスを追加した新しいクルマのサブスクサービス「KINTO Unlimited」、トヨタ・レクサス・GRの純正オプションを正規販売店で後付け可能なアップグレードサービス「KINTO factory」などがある。
またトヨタのMaaSアプリ「my route」や、キャッシュレス決済アプリ「TOYOTA wallet」の開発も手掛けている。
■代表的なプロダクトは「KINTO ONE」
KINTOテクノロジーズの代表的なプロダクトであるKINTO ONEは、任意保険や自動車税といったクルマにかかる諸経費が全て込みで月々定額のサービスで、2019年3月から提供をスタートした。2024年1月には累計申込み数が10万件を突破したことを発表しており、その後も利用者は拡大中のようだ。
なおKINTOテクノロジーズと同様、トヨタグループの企業には株式会社KINTOもある。KINTOがKINTO ONEなどの運営、KINTOテクノロジーズはKINTOが運営するサービスの開発を行うという役割分担になっている。
KINTO ONEではトヨタ・レクサス・SUBARUの新車を選択できる。2025年7月現在、取り扱っている車種は、トヨタ車ではヤリス・ルーミー・カローラスポーツ・プリウス・カローラツーリング・クラウン・ヤリスクロス・ライズ・カローラクロス・RAV4・ハリアー・ランドクルーザー“250”・クラウン(クロスオーバー)・アルファード・ヴェルファイア・GRヤリスとなっている。レクサス車はLBX・UX・NX・RX・IS・GX・LX、SUBARU車はレヴォーグ・SUBARU BRZ・レヴォーグレイバック・フォレスター・WRX S4だ。
■トヨタのサービスの陰の立役者
期を追うごとに純利益が減少している状況にあるKINTOテクノロジーズ。現在はサービス開発に資金を投入している時期なのかもしれない。
次々に新しいサービスをリリースしていくトヨタグループを支える縁の下の力持ちであるKINTOテクノロジーズに引き続き注目したい。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「トヨタ系KINTOテク、第3期決算は純利益33%減!my routeや決済サービスも開発」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)