自動運転の実用化に向けて、ハイレベル人材の需要が増加している。また自家用車活用事業、通称「日本版ライドシェア」の開始から3カ月が経過し、ライドシェア関連の求人も目にすることが多い。今後ますますサービスを拡大していく予定の日本版ライドシェア。関連求人数も右肩上がりに盛り上がっていきそうだ。
自動運転ラボ恒例の「気になる求人」記事の2024年7月版では、各社が公開している案件から、特に注目したい自動運転&MaaS案件をピックアップして紹介していく。
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記事の目次
■newmo:FP&A(経営企画)
ライドシェア事業への参入を目的に、メルカリの元幹部により2024年1月に設立されたばかりのnewmo。同社はCFO(最高財務責任者)直下のコーポレートチームにて、1人目FP&A担当として、広く業務を担う人材を募集している。事業管理・財務分析だけでなく、各部門と連携した全社の事業戦略の策定にも携わることができるようだ。
具体的には、事業計画・年次予算の策定とモニタリングや、事業KPIの設定およびモニタリングと改善施策の提案、数値分析に基づく経営陣への財務戦略・事業戦略の提案などを担当する。M&Aでグループインした会社の業績管理やアカウンティングなどに関わる可能性もあるという。
応募には、事業会社においてのFP&Aや経営企画の経験、またはコンサルティングファームでの事業計画策定・管理の経験が必要になる。勤務地は東京都港区の本社で、年収は800〜1,200万円となっている。
https://hrmos.co/pages/newmo/jobs/0040010
■日立Astemo:自動運転・先進運転支援システムのソフトウェア設計開発
日立Astemoは、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業が2021年1月に経営統合し、設立された企業だ。同社は自動運転・ADAS(先進運転支援システム)ECUの先行技術開発を担当する人材を募集中だ。
自動車メーカー(OEM)の車両制御機能に関する要求や同社独自の目標・要求に基づいたシステム設計のほか、要求機能に応じた制御・論理設計、機能安全・信頼性設計の構築、HILS/MILSやテスト車両などを使用しての各機能の検証などを行うポジションとなる。
応募の際は、マイコンまたはOSのいずれかの知識と、ソフトウェアの設計またはテストの経験が必須だ。勤務地は東京都千代田区・神奈川県横浜市・茨城県ひたちなか市・群馬県伊勢崎市のいずれかになるようだ。提示されている月給は、25万5,000円~50万5,000円。
https://hrmos.co/pages/hitachiastemo/jobs/0002560
■ソニーセミコンダクタソリューションズ:自動運転向け車載用Perceptionシステムの信号処理開発エンジニア
ソニーグループの半導体子会社ソニーセミコンダクタソリューションズでは、信号処理開発エンジニアを募集している。自動運転向け認識システムの信号処理の設計・開発・評価のほか、SWシステムの継続的な改善改良・最適化、SW Stabilityの自動的な監視機能開発などの業務を担う。
課は全体で25名程度で、個別アルゴリズム開発のLeading(5名程度)もしくは各グループのLeaging(10名程度)また技術チームの代表として顧客との折衝を行うようだ。
大学院・大学・高等専門学校卒以上で、商品向け組込設計開発の経験と、C、C++およびPythonなどでの組み込みソフトウェア開発・自動評価開発の経験が必須となる。また、TOEIC650点以上の英語力が必要だ。勤務地は東京都港区で、予定年収は600~1,150万円となっている。
https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchDetail/j_jid__3010755045
■Luup:オペレーションマネージャー
電動キックボードと電動アシスト自転車など「電動マイクロモビリティ」のシェアリングサービス国内最大手のLuupでは、Field Operation部でのオペレーションマネージャーを募集している。関東エリアのオペレーションチームを率いて経験を積み、今後のサービス拡大の重要な役割を担うポジションになるという。
具体的な業務内容は、オペレーション全般の設計・体制構築および現場管理のほか、オペレーション設計および現場スタッフへの業務指示、作業用モビリティの調達および維持管理、チームスタッフの労務管理および採用業務などになる。
3年以上のチームメンバーのマネジメント経験や、人員配置、役割分担、倉庫などの現場オペレーションを設計し、メンバーの指導改善を担うスキルが必須だ。勤務地は東京都内で、年収は700〜900万円となっている。
https://herp.careers/v1/luup/MXwr01NDOGS0
■【まとめ】年収1,000万円前後がいずれ当たり前に?
ライドシェアやマイクロモビリティのシェアリングサービスなど、数年前にはほとんどなかったような分野の求人が増えている。また自動運転開発では、より細分化された高度な技術を有する人材の需要が高まっている。
年収は最大で1,000万円オーバーの求人も多くなってきた。それだけ、自動運転やMaaSといったモビリティ関連の人材が望まれているということだろう。日本のハイレベル人材の年収が、米国などの数千万円レベルに並ぶ日は来るのだろうか。今後の動向に注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転技術者の平均年収、日本は712万円、米国はインターンに2,000万円」も参照。
【参考】関連記事としては「ライドシェアで年収1,000万円も!自動運転&MaaS、気になる求人4選【2024年6月】」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)