ドローンやセンサーの開発などを行う株式会社ワールドスキャンプロジェクト(本社:東京都新宿区/代表取締役CEO:上瀧良平)は2023年12月10日までに、開発中の「空飛ぶEVクレーン」の試作機で、機体重量(70キロ)よりも重い80キロの荷物を乗せての試験飛行に成功したと発表した。
同社が空飛ぶEVクレーンとして開発しているのは「スカイクレーン」だ。ワールドスキャンプロジェクトは、未来の建設インフラ開発の一環として、スカイクレーンの開発に取り組んでいる。
スカイクレーンの試作初号機のテストフライトは千葉県内で実施された。機体重量70キロの試作機は地上1メートルの高さまで浮上し、重さ80キロの荷物を乗せた状態で7分間にわたって飛行高度を維持したという。また前後左右5〜7メートルの移動に成功した。
■地形や障害物に制約されずに…
空飛ぶスカイクレーンは、建設業界にさまざまなメリットをもたらす可能性を秘めていそうだ。
例えば作業の自動化により、通常のクレーンよりも迅速で正確な動作が期待できる。また、人が直接作業する必要がないため、高所や危険な場所での作業を行う際、事故のリスクが低減することに寄与する。
空飛ぶクレーンは地形や障害物に制約されにくい点も特徴で、かつ、従来のクレーンがアクセスしにくい場所でも作業が可能だ。そのため、複雑な建設現場や制約のある場所でも作業ができる。
空飛ぶクレーンの活用シーンとしては、建設現場での資機材の空中運搬、貨物船の積荷作業、鉄塔のメンテナンス時における資材運搬、離島や過疎地への荷物運搬、被災地への救援物資運搬などが挙げられる。
■米国上場も見据えるベンチャー企業
ワールドスキャンプロジェクトは、産業用自動化機器メーカーとして、日本では2020年1月に設立された。「人々の生活を豊かにすること」をテーマに、これからの産業や生活にとって重要となるロボットやドローン、その他関連製品を設計・開発する事業を日米で展開している。
CEO(最高経営責任者)である上瀧氏は投資家であり、九州大学共同研究員や名古屋大学共同研究者でもある。
またワールドスキャンプロジェクトは今後の業務拡大とともに、米国市場への上場を見据えているという。
■「空飛ぶクレーン」への関心度も高まる!?
最近は「空飛ぶクルマ」という次世代モビリティに注目が集まっているが、今後は「空飛ぶクレーン」への関心度も高まるのか、引き続き同社の取り組みをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2023年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)