人材大手パーソル、自動運転ビジネスに参入 「ベンチ型」を子会社が開発

「PARTNER MOBILITY ONE」とは?

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出典:パーソルクロステクノロジープレスリリース

総合人材サービスを展開するパーソルグループが、自動運転事業に参入した。グループとして自動運転関連のソフトウェア技術者の募集などをしていたことが知られていたが、このほど子会社がベンチ型自動運転モビリティの設計開発をした。

テクノロジーソリューション事業を手がけるパーソルクロステクノロジーは、ベンチ型自動運転モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」を開発し、2023年10月26日~11月5日に開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で紹介する。

■人材大手が自動運転モビリティ開発

パーソルクロステクノロジーは、自動車・航空宇宙・産業機器・家電・ロボットといったモノづくり領域や、システム・通信・ウェブなどのIT領域において、技術コンサルティングや請負、技術者派遣などで企業の支援を展開している企業だ。

PARTNER MOBILITY ONEは、久留米工業大学インテリジェント・モビリティ研究所やLe DESIGNと共同開発した新発想の小型自動運転モビリティだ。パーソルクロステクノロジーが車両の設計開発、久留米工業大学が車両開発の企画・統括、Le DESIGNが車体デザインを担当している。

2~3人が荷物と共に横乗りでの乗車が可能で、「会話だけでなく、同じ景色を同じ目線で楽しむ周遊の時間」という新しいモビリティスタイルを提供するとしている。2022年11月から走行テストを開始し、2023年1〜2月に東京都で行われたイベントでは、小池百合子知事も試乗した。

■PARTNER MOBILITY ONEの特徴

PARTNER MOBILITY ONEには、大きく4つの特徴がある。

1つ目は、あらかじめルートを設定すれば目的地まで自動走行が可能なことだ。決まった場所での停止も可能だ。2つ目は、スマートフォンやタブレットを用いての遠隔操作が可能なこと、3つ目はアプリを利用すれば無人送迎が可能なことだ。これは、専用アプリにてモビリティを呼び出すと、最寄りの車両が時速3キロで走行、無人運転で迎えに行くことができるという仕組みになっている。

そのほか、ベンチ型で2〜3人が同時に乗車可能な点もポイントだ。耐重量190キログラムで、ベンチに腰掛けるように座るだけのため、移動に不安を抱える高齢者や子どもも乗りやすい。また、直線を基調としたシンプルなデザインで、天板部に収納ボックスやさまざまなセンサー、ロボットを容易に搭載できる。これにより施設内の配送業務や安全監視業務のほか、プロジェクトマッピングなどと連動した観光ガイドも可能になるという。

出典:パーソルクロステクノロジーの過去のプレスリリース
■制御ソフト設計者などの募集も

パーソルクロステクノロジーは、「クロスで技術を加速させ、共に輝く未来を創る。」をミッションとしており、人や技術、企業を掛け合わせることで技術の進化は加速すると考えているという。自動車など輸送機器関連の豊富な技術・知見を持つパーソルクロステクノロジーがこれまで培ってきたモビリティ開発のノウハウを生かし、今回の車両の設計開発を行うに至った。

求人の一例として、同社は自動運転・ADAS(先進運転支援システム)関連の制御ソフト設計者を募集している。要件定義・詳細設計から、実装・テストまで幅広く担当するようだ。開発対象物の実例として、ADAS関連要求分析、モデル不具合解析や、自動走行機能に係る仕様検討・実車走行検証などが挙げられている。

応募には、4年以上のADAS関連の開発経験や組込み系ソフトウェア開発経験、モデルベース開発経験などのいずれかが必須となっている。

▼<関東>自動運転・ADAS関連のソフトウェア技術者|パーソルクロステクノロジー株式会社
https://hrmos.co/pages/persol-xt/jobs/0495

■異業界からの自動運転事業参入は加速

幅広い分野に関する知見を持つパーソルクロステクノロジーが、自動運転モビリティ開発をスタートさせた。自動運転市場は将来有望なだけに、今後は自動車メーカーやテック系ベンチャーだけでなく、異業界からの参入が増えていくことは確実だ。

【参考】関連記事としては「LINE上でタクシー配車!パーソルとNearMe、テスト導入を開始」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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