国交省、「空飛ぶクルマ」などの安全対策に2億円!来年度予算の概算要求

空港業務の自動化は1億円、審査関連には0.9億円

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出典:国土交通省

国土交通省はこのほど、来年度の2024年度予算の概算要求の内容を発表した。航空局関係においては、空飛ぶクルマ・ドローンなどに関する予算も計上されている。

「航空イノベーションの推進」という項目で計上されているもので、2024年度の要求額は「空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策」で2億円。2023年度は1.3億円であったので、7,000万円のアップとなる。

この予算はどういった用途に使われる計画なのか。

▼航空局関係予算概算要求概要
https://www.mlit.go.jp/page/content/001625461.pdf

■航空イノベーションの推進に合計3.9億円

国交省は航空イノベーションの推進として、2024年度に下記の項目について予算要求額を公表している。

■空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策

予算2億円の「空飛ぶクルマ・ドローンの安全対策」に関する事業として、3つが挙げられている。1つ目は「空飛ぶクルマの社会実装に向けた環境整備」だ。

2025年開催の大阪・関西万博を契機に商用運航の拡大が期待されており、今後空飛ぶクルマの機体の多様化や飛行の自律化、運航の高密度化等が見込まれる。そのため、商用運航拡大に向けた空飛ぶクルマの安全基準策定等のための調査や、空飛ぶクルマの運用概念(ConOps)改訂に向けた調査、低高度における安全・円滑な航空交通等のための体制整備を行うという。

2つ目は「ドローンの高密度運航等に向けた環境整備」で、ドローンのレベル4飛行が実現すると、運航の高密度化や生活空間に近接した運航が見込まれる。安全確保のため、運航管理(UTM)システムの段階的導入に係るUTMプロバイダの認定要件や、騒音に関する規制要件の策定のための調査・検討などを行う。

3つ目は「空港に侵入するドローンへの対処能力の強化」だ。空港周辺のドローン飛行による空港運用の停止などを避けるため、空港におけるドローンの検知を行うシステムの整備などを行う。また、機器更新や高機能化に向けた調査を実施することで、空港に侵入するドローンへの対処能力を強化していくようだ。

出典:国土交通省資料(※クリックorタップすると拡大できます)
■空港業務の体制強化に資する先進技術の導入促進

「空港業務の体制強化に資する先進技術の導入促進」については、1億円が計上されている。

2025年までに無人車両技術を導入するため、運用ルールなどに関する課題や対応方針を整理した上で、指針の改定などを実施するという。無人車両技術としては、2020年から自動運転トーイングトラクターや条件付き自動運転バスの導入がスタートし、2021年からは特定条件下における完全自動運転車の実証実験が行われている。また空港除雪の省力化・自動化も検討されているようだ。

出典:国土交通省資料(※クリックorタップすると拡大できます)
■確実な安全性審査・実用化の促進

「航空機・次世代航空モビリティに対する確実な安全性審査・実用化の促進」については、9,000万円が計上されている。事業としては、次世代航空モビリティなどの実地審査や審査職員の飛行試験技能習得、外国関係機関等との審査基準などの調整、審査に必要な環境の整備が挙げられている。

型式証明は、すでにSkyDriveやJoby Aviation、Volocopter、Vertical Aerospaceが申請済みだ。今後ますます増えると予想される型式認証や型式申請に対応していくための取り組みが、主な使用用途のようだ。

出典:国土交通省資料(※クリックorタップすると拡大できます)
■【まとめ】審議の行方に注目

2025年の大阪・関西万博で本格運航が開始される予定の空飛ぶクルマ。今回の概算要求の内容からは、国としても実用化に向けて力を入れていく方針であることが分かる。概算要求に関する審議の行方に注目したい。

※自動運転ラボの資料解説記事は「タグ:資料解説|自動運転ラボ」でまとめて発信しています。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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