米国で自動運転トラックの反対キャンペーンが始まった。
米カリフォルニア州車両管理局(DMV)は自動運転トラックの走行に関する公聴会を2023年1月27日に開催した。その場で、全米におけるトラック運転手の労働組合である「Teamsters」(チームスターズ)は、走行計画の反対を表明した。
その理由として挙げられたのが、自動運転車メーカーは安全を主張しているものの、まだ本格的な自動運転の準備が整っていない可能性があるということだ。最近、自動運転車による事故が多数報告されていることが、その根拠になっているという。
また組合員たちは自らを「道路のファーストレスポンダー」と呼び、道路上で困っている別なドライバーを助けるなど、自動運転車ではできない役割を担っていることも主張している。ファーストレスポンダーとは一般的に、災害や事故などで負傷者に対して最初に救急措置を行う人のことだ。
■自動運転トラックを禁止すべきとの主張も
Teamstersはまた、同州サクラメントの議会において、自動運転トラックを禁止すべきだとも主張した。この訴えに同調する2人人議員は、「重量が1万ポンド(約4.5トン)以上の大型自動運転車が州道を走行する際には、人間が操作することを義務付ける」という法案を提出した。
次の段階としてTeamstersは議員への働きかけだけではなく、市民からの支持を集めようとしている。大規模な集会などを行い、この法案が可決されることを目指すという。
■技術開発企業の大きな障害に?
カリフォルニア州は自動運転開発企業の拠点が多く、ドライバーレスでの走行テストをDMVが許可している企業もある。今回のTeamstersによる反対キャンペーンが拡大した場合、開発企業にとって大きな障害となり得る可能性がある。
▼California Teamsters demand human operators for autonomous trucks|Teamsters Joint Council 7
https://teamstersjc7.org/news-press/teamster-news/california-teamsters-demand-human-operators-for-autonomous-trucks
【参考】関連記事としては「自動運転トラックの開発企業・メーカー一覧」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)