ライドシェアサービス大手の米Uberは2022年10月25日までに、広告事業を拡大し、ユーザーの目的地などに合わせたターゲティング広告を展開することを発表した。
Uberは、この新しく立ち上げる広告ユニットの責任者に、米Amazonの広告部門で実績のあるMark Grether氏を起用した。
■新たに展開する「Journey ads」
Uberが新しくスタートするターゲティング広告は「Journey ads」と呼ばれ、配車予約時に登録した目的地などに関するデータに合わせた最適な広告を出すことができるという。
米メディアの報道によれば、例えばユーザーがある特定の小売店や映画館、空港を目的地を目的地としてライドシェアを利用した場合、その目的地に関連する広告が配信されるようになるようだ。
恐らく、もし「A」という商業施設を目的地としたユーザーに対しては、そのAという商業施設自体の広告やAに入居するテナントの広告、商業施設周辺でサービスを展開している企業の広告などが配信されるイメージではないか。
広告クライアント側からみれば、買い手になってもらいやすい乗客をターゲットに広告を打てる格好となり、人気の広告枠の1つとなるかもしれない。
■年間広告収入10億ドルを目指し
Uberの広告部門のゼネラルマネージャーによれば、Uber全体の広告収入は2020年は1,100万ドル(約16億円)だったが、2021年には1億4,100万ドル(約210億円)と大幅に伸びた。そして2024年には10億ドル(約1,500億円)に達すると予測しているという。Journey adsはそこまで広告収入を大きく伸ばすためのUberの秘策の1つになりそうだ。
日本でも近年、タクシーの後部座席に座る乗客に向けたサイネージ広告が徐々に展開され始めており、車中広告の市場規模は今後も大きく拡大すると考えられる。
【参考】関連記事としては「電通の広告費調査、「タクシー広告は大幅増」の一文に注目せよ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)