ゼネコン大手の竹中工務店などはこのほど、埼玉県越谷市で開催された地域密着型ウォーターサイドフェス「Lake and Peace 2022」にて、自動運転の「水上移動屋台」を展開した。
■水上移動とカフェ仕様アレンジの2タイプ
具体的には、竹中工務店やIHIなど8者による「海床ロボットコンソーシアム」が、都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」を活用し、水上を乗船移動するものとカフェ仕様にアレンジしたものを展開した。後者が「水上移動屋台」だ。
水上移動屋台は水上を自動運転し、水上にある船や水辺にいる顧客にコーヒーを提供したという。上屋は、デジタルデータをもとにしてものづくりをする「デジタルファブリケーション技術」を活用し、釘を使わずに組み立てられているという。
海床ロボットは2021年5月に「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に採択されている。2021年12月には、大阪城公園の東外堀で「水上自動走行」と「自動離着岸」、デジタルファブリケーションを活用し、用途に応じて船の上屋が変更可能な仕組みを検証済みだ。
■自動運転船舶ロボで注目の竹中工務店
竹中工務店に関しては2022年8月に、国土交通省が推進する「令和4年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」において、「自動運転船舶ロボットによる『アート&レストランロボット』の実用化実験」が採択されたことでも知られている。
同事業は「ASV」(小型無人ボート)や海のドローンとして期待される「AUV」(自律型無人潜水機)、「ROV」(遠隔操作型無人潜水機)など、海の次世代モビリティを活用して沿岸や離島地域の海域の利活用に関する課題を解決していくことを目指すものだ。
詳しくは以下の【参考】にある記事をご覧頂きたい。資料に掲載された水上レストランのデザインが斬新で、記事を公開後、話題を呼んだ。
【参考】関連記事としては「斬新!自動運転ロボで「水上レストラン」、竹中工務店が着手」も参照。
■自動運転の舞台は「水上」も
自動運転は道路上だけで活躍する技術ではない。空飛ぶクルマの自動運転化も取り組まれているし、今回の取り組みのように、水上も舞台の一つだ。竹中工務店を始めとした各社の取り組みに、引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「「あらゆる水上モビリティを自律化」 Eight Knot、自動運転船の社会実装目指す」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)