さまざまなロボットで「地図」をシェアする研究がスタートした。
西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:森林正彰)=NTT西日本=は、清掃ロボットや配達ロボット、警備ロボットなどのサービスロボット間で地図をシェアする「異種ロボット間の地図シェアリングの実現に向けた共同研究」をこのほど開始した。
この共同研究は、NTT西日本のグループ企業であるテルウェル西日本とともに行っていくという。
■清掃、配達、警備ロボットなど多様なロボットが地図を共有!
NTT西日本ではこれまで、あらゆるサービスロボットを協調して連携させることで、人に寄り添った多様なサービスを提供する社会の実現を目指し、研究開発に取り組んできた。
一方でテルウェル西日本は2022年4月から、クラウド型オフィスロボット清掃サービス「ロボ★メン」を提供している。遠隔制御した小型清掃ロボットでオフィスや店舗などにおける掃除機がけ作業を自動で行い、その清掃結果をタブレットなどで確認できるサービスだ。
今回スタートした研究では、両社の技術やノウハウを使って「ローカルダイナミックマップ」を作り、屋内外のロボットの仕様に合わせた地図を配信することで、サービスロボットごとに必要だった地図生成が不要となり、効率のよい地図シェアリング方式の技術を確立できるようになるという。
【参考】関連記事としては「ダイナミックマップとは?(2022年最新版) 自動運転向け地図、トヨタの動きは?」も参照。
■2022年11月に技術のプロトタイプを展示予定
具体的には、ロボ★メンで商用提供されているオフィス清掃ロボットやそのほかのロボットに、今回スタートした研究で統合・変換した地図を配信する。
ロボットたちが清掃業務などを完遂できるかどうかの実行可能性を評価し、現場にいるスタッフがWebアプリを使って地図を統合・変換する作業を問題なく遂行できるかの使い勝手の評価も行う。
共同研究は2023年3月31日まで、大阪市で実施される予定だ。NTT西日本が本研究の全体管理と地図統合・変換技術の提供、フィールド評価の取りまとめを担い、テルウェル西日本が実フィールドの提供と清掃業界のノウハウ提供、ロボ★メンシステムの提供、フィールド評価を担う。
2022年11月に開催予定のNTTグループの展示会において、本技術のプロトタイプを出展する予定のようだ。いずれは清掃ロボットだけでなく、配達ロボットや警備ロボットなど多様なロボットの自立走行に必要なローカルダイナミックマップを整備していくという。
■ロボットとの共存が当たり前の社会へ
ロボット間で地図を共有できるようになれば、従来の垂直統合型の地図生成・管理方式を使わずに済み、事前に地図を作成するコストを削減できる。ロボット導入のハードルが下がることで、人に寄り添ったサービスロボットとの共存が加速しそうだ。
同研究の成果発表にも期待したい。
【参考】関連記事としては「ラストワンマイルの課題解決!NTT西がオンデマンド型乗合バス実証」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)