公益社団法人「自動車技術会」はこのほど、自動運転の技術を競う「第4回自動運転AIチャレンジ2022(インテグレーション)」の決勝を東京大学生産技術研究所柏キャンパスで開催した。
予選はオンライン上のシミュレーション競技として実施され、決勝は第1回の大会以来3年ぶりに実地で行われた。
人材発掘や関連技術の学習機会の提供が目的の自動運転AIチャレンジ。今大会では予選から上級者向けの「アドバンストコース」と初級者向けの「チャレンジコース」の2つのクラスに分けて実施され、上級者向けアドバンストコースでは、名古屋大学大学院の「UCLabAdvanced」チームが最優秀賞・経済産業省製造産業局長賞を受賞した。
■小型モビリティに自動運転アルゴリズムを実装
決勝で走行するコースはクラスによって異なり、予選を勝ち抜いたチームが決勝で小型モビリティに自動運転アルゴリズムを実装し、精度やタイムを競った。障害物回避と障害物認識を競う競技と、走行時間精度と正着制御を競う競技があり、それぞれ20点ずつと得意競技10点の計50点満点で順位が決定された。
ちなみにチャレンジコースの参加者には、事前に教育プログラムやオンラインチュートリアルを受ける機会が設けられた。
■名古屋大学・大学院チームの活躍目立つ
上級者向けアドバンストコースで最優秀賞・経済産業省製造産業局長賞を受賞したのは、前述の通り、名古屋大学大学院の「UCLabAdvanced」だ。優秀賞は株式会社セックの「TeamS」、3位入賞は名古屋大学大学院の「NU_AD」だった。
初級者向けチャレンジコースで最優秀賞・日本自動車工業会会長賞を受賞したのは、名古屋大学の「UCLab」だった。優秀賞は名古屋大学大学院の「Wild challengers」で、3位入賞は東京大学大学院の「TLAB」だった。
結果として、上級者向けアドバンストコースでも初級者向けチャレンジコースでも、名古屋大学のチームが最優秀賞を得た格好だ。
■次回開催の自動運転AIチャレンジにも注目
第4回大会で協賛した企業は全部で25の企業だ。特別協賛はティアフォーとzero to oneの2社、プラチナクラスは本田技研工業と日産自動車、トヨタ自動車の3社、ゴールドクラスは国誉アルミ製作所とウーブン・プラネット・ホールディングスの2社、シルバークラスはスズキとマツダ、SUBARUの3社。そのほか、ブロンズクラスの15社となっている。
日本が舞台の国際大会として海外からも関心が高まっている自動運転AIチャレンジ。今回は3年ぶりの実地での開催となったこともあり、さらなる盛り上がりを見せた。天候に恵まれながらも、気温や風などシミュレーションとは違う条件に苦労する様子も見られた。
次回開催の自動運転AIチャレンジにも注目だ。
【参考】関連記事としては「【大会ルポ】太陽や風も難敵に…「自動運転AIチャレンジ」初開催 Autowareを使って走行精度競う」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)