三菱重工グループは2021年10月31日までに、自動搬送ロボットを使って自動車の自動バレーパーキングと完成車自動搬送サービスを実現する事業を展開する計画を発表した。事業は仏企業のスタンレーロボティクスと共同で取り組む。
報道発表で公開されたイメージ画像を見ると、自動搬送ロボットがクルマを牽引して移動させる仕組みを導入するようだ。その自動搬送ロボットにはスタンレーロボティクスのロゴが入っており、このフランス企業が提供するロボットを使うものとみられる。
三菱重工グループの三菱重工業と三菱重工機械システムは、日本で初めて自動バレーパーキングを導入すべく、同グループが運営する大型商業施設や空港などにおいて、今後三菱地所とも協力して実証実験を進めていく予定だという。
▼Stanley Robotics|the future of smart outdoor robotic storage
https://stanley-robotics.com/
■限られた駐車スペースを効率よく利用
これまで大型商業施設や大型複合ビル、テーマパーク、空港などにおいて、限られた駐車スペースを効率よく利用することは難しかった。同時に、利用者も駐車場がなかなか見つからなかったり、見つかっても遠かったりしてストレスを感じることも多かった。
自動搬送ロボットを使った自動バレーパーキングサービスを導入することで、効率の良い駐車場運営と利用者の快適性が向上するという。
完成車自動搬送サービスでは、自動車工場内や港湾、モータープールなどにおいて24時間365日の稼働が可能となり、熟練ドライバーの不足問題の解消や二酸化炭素(CO2)排出量の削減、低コストで安全な搬送が実現するという。
■駐車場内を人が歩かなくなる未来
海外では一般的だが日本人にはあまり馴染みのない「バレーパーキング」。バレーパーキングは、駐車するときに係員が駐車作業を運転手に代わってしてくれるサービスのことだ。国内でも一部の高級ホテルやレストランなどでバレーパーキングが導入されている。
バレーパーキングが自動化されれば、係員が必要なくなる。さらに自動化すればセンサーを使うことで駐車位置をギリギリまで詰めることもでき、駐車スペースを有効に利用できるようになる。都心部の駐車スペースが小さい駐車場などに導入されれば、効果は大きい。
いずれ駐車作業をシステムが担うようになり駐車場内を人が歩かなくなれば、駐車場内での事故も発生しなくなる。日本初の自動バレーパーキング導入はいつ頃となるのか、今後の実証実験などにも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動バレーパーキングとは? 自動運転技術を活用 開発企業は?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)