オランダの半導体大手NXPセミコンダクターズは2019年11月13日、自動車の物理的な鍵の代わりにスマートフォンを使えるようにすることに役立つ「車載超広帯域無線(UWB)チップ」を新たに発表した。
このチップに搭載されているUWB技術を使うと高精度な位置特定が可能となり、車両の近くでスマートフォンを持っている人のみがスマホを使ってドアを開けたりエンジンを始動できるようになる。
スマートキーやデジタルキーにおいては「リレーアタック」という盗難手口がこれまで課題とされてきた。この手口は、スマートキーから発信されている電波をやや離れた場所で傍受してドアを開き、さらにはエンジンを始動して車両を盗んでしまおうというものだ。
そんな中、UWB技術はこのリレーアタックを防ぐための有効な手段とされている。スマートキーやデジタルキーを持っている本人が自動車のすぐ側や中にいなければ、スマートキーやデジタルキーの機能は使えないからだ。同社も「新しいUWB ICはリレー・アタックによるクルマの盗難を最大限のレベルで防止します」と強調している。
スマートキーやデジタルキーは、カーシェアなどで自動車の受け渡しを完全に無人化することに貢献し、今後は需要がさらに高まることが見込まれている。
【参考】関連記事としては「狙え「車載標準」の座!カーシェア全盛期、デジタルキーで勝負 東海理化インタビュー」も参照。