日本人は1日に平均1.6時間程度自動車を運転していると言われている。これは米国の1日平均0.8時間と比べると倍近くの時間になり、1年間に通算すると「1.6時間×365日」で584時間にも及ぶ。今この584時間に注目している業界がある。それが日本の広告業界だ。
AI(人工知能)が運転を行う完全自動運転車が普及すると、ドライバーは運転していた時間がそのまま自由な時間になる。ブレーキやアクセルも要らなくなることから車内空間のデザインは自由度を増し、広告を表示するさまざまなディスプレイなども配置しやすくなる。
運転主は従来の自動車の運転では進行方向となる前方を主に見ていなければならなかった。しかし、自動運転車の場合は広告に接する機会があったとしても危険ではない。そこに広告業界が目をつけている。
例えば日本では既に広告代理店大手の株式会社電通が、自動運転社会の到来に備えて広告配信手法などの研究を始めている。アメリカ国内の自動運転車やコネクテッドカー向けの広告市場は、2030年には50兆円規模に達すると言われており、日本でも相当な規模になることは間違いない。
自動運転車向けの車載広告で業界シェアを得ていくのはどの企業か。今後の動向に注目していきたい。
【参考】アメリカでの車載向け広告市場の予測については「自動運転の広告市場、年50兆円規模に googleシェア60%と試算|自動運転ラボ