米ライドシェア大手のUber(ウーバー)の元ドライバー3人が失業保険の受給資格を求めて起こした裁判で、米ニューヨーク州労働委員会は受給資格を認定する裁決を下した。同様の地位にあるドライバーに対しても受給資格を認める内容で、ウーバーをはじめとしたライドシェア事業者、ひいては異業種まで波及する可能性がありそうだ。
同様の訴訟は各地で起こっており、ドライバーが正社員に相当するか請負人なのかが問われている。判断は各州で分かれており、フォーブス誌によると米国では10以上の州が配車サービスのドライバーを失業保険の対象外としており、その他の多くの州の法律にも配車サービスの従事者に通常の被雇用者と同じ権利を与える根拠となる条文は存在しないという。
■ウーバーの被雇用者に対する権限が焦点
労働者の管理や乗務状態の監視、業務に関するトレーニングなど雇用者が被雇用者に対しどこまで権限を持って管理しているかが判断材料となっているが、今回のニューヨーク州の判決では、実態としてドライバーがウーバーの強い管理下に置かれているものとする判断を下した。
なお、ウーバーはこれを認めた場合、同様の立場にあるニューヨーク州の全てのドライバーに対し失業保険を支払う義務が発生することになるため、異議を申し立てる見込みだ。
仮に今回の判決が認められれば、同業のLyft(リフト)はもとより、配達シェアリングなどの事業者にも影響が及ぶ可能性がある。極論だが、さまざまなシェアリングエコノミーサービスも同様と考えると、空き部屋などをシェアする民泊仲介サービス最大手のAirbnbの登録ホストなども失業保険がもらえるようになるのだろうか。