タクシー配車アプリS.RIDE、第3期決算で純損失拡大 コロナ禍が影響か

「みんなのタクシー」から社名変更

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出典:官報

東京最大級のタクシー配車アプリ「S.RIDE」を運営するS.RIDE株式会社(本社:東京都台東区/代表取締役社長:西浦賢治)の第3期(2020年4月〜2021年3月)の決算公告が官報に掲載された。当期純損失は4億1,300万円。第2期の当期純損失は約4,900万円だったため、損失は拡大した形となる。コロナ禍が影響した可能性も高そうだ。

■第3期決算概要

貸借対照表の要旨(2021年3月31日現在)
▼資産の部(単位:千円)
流動資産 1,456,403
固定資産 93,921
資産合計 1,550,325
▼負債及び純資産の部(単位:千円)
流動負債 292,006
株主資本 1,258,318
資本金 100,000
資本剰余金 1,690,000
資本準備金 1,690,000
利益剰余金 △531,681
その他利益剰余金 △531,681
(うち当期純損失) 412,959
負債・純資産合計 1,550,325

■ソニー系企業、前社名は「みんなのタクシー」

S.RIDEはタクシー配車アプリ「S.RIDE」を開発・配信している企業だ。ソニーや東京都内のタクシー事業者などが設立したみんなのタクシー株式会社が社名変更し、S.RIDE株式会社となった。

タクシー配車アプリのサービスは2019年4月から東京都内で提供が開始され、その後、神奈川や埼玉、愛知、大阪でもサービスを展開中だ。

特に東京でのネットワークが強く、グリーンキャブ、国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブ、東京都個人タクシー協同組合、三和交通、三和交通多摩、エスコート交通、泉自動車交通と事業を展開している。

タクシー配車アプリは数が増えているが、S,RIDEはその中でもスタイリッシュなデザインやシンプルなUI/UXが特徴だ。使いやすさを重視し、短時間でタクシーの配車が完了できるよう配慮されている。

2020年2月にはタクシー相乗りマッチングアプリの「AINORY」と連携することを発表した。AINORYはタクシーの相乗りマッチングと割り勘機能を備えたアプリで、AINORYとの連携によってユーザーが増えることへの期待が高まった。

■S.RIDEの今後の取り組みに引き続き注目

S.RIDEは前期よりも赤字が膨らむ形になったが、タクシー配車アプリやデリバリーアプリはサービスローンチ当初はユーザー獲得のためのプロモーションに多くの費用を投じており、今回赤字が拡大したことを事業の将来性を結び付けるのは早計だ。

S.RIDEの今後の取り組みに、引き続き注目していきたい。

▼S.RIDE公式サイト
https://www.sride.jp/jp/

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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