三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区/代表者:杉山武史)は2019年10月21日、高精度な地図情報が無くても自動運転が可能な新技術を開発したと発表した。この新技術は同社の自動運転実証実験車「xAUTO」に搭載され、10月24日に開幕する東京モーターショーで紹介されるという。
同社はこの新技術について、高精度地図が整備されていない一般道のほか、屋内や屋外も問わずに無人運転を可能にするものだと説明している。例えば高精度地図が無い一般道では、「ローカルマップ」を活用することで、無人の自動運転が可能になるとしている。
このローカルマップとは、準天頂衛星システムからの「センチメータ級測位補強サービス(CLAS)信号」を活用し、車両が過去に走行したルートを高精度で記録するもので、このローカルマップに沿ってシステム側が制御を行えば、自動運転が可能になるというもののようだ。
そのほか、「センサーフュージョン技術」も今回の新技術開発で大いに活躍するようだ。センサーフュージョン技術について三菱電機は「ミリ波レーダーやカメラなど複数センサー情報を、処理時間のばらつきを考慮して組み合わせる」(報道発表)ものだとしている。
【参考】関連記事としては「三菱電機、濃霧・豪雨に強い自動運転向けセンシング技術を開発」も参照。
■早期からCLAS信号を使った実証実験
三菱電機はCLAS信号を使った実証実験に2017年ごろから取り組んでいるほか、オランダの地図関連ベンチャー企業HERE Technologies(ヒア・テクノロジーズ)社と提携するなど、自動運転向けの3D地図開発にも取り組んでいる。
2018年10月には、3D地図の作成に役立つ移動計測装置「三菱モービルマッピングシステム(MMS)」の新製品を発表しており、大きな注目を集めた。
つまり今回発表した新技術についても加味するなら、三菱電機は高精度地図がある状況とない状況の両方のアプローチで安全な自動運転の実現を目指していると言えそうだ。
【参照】参考記事としては「三菱電機、自動運転で活躍する3D地図作成の新製品 「MMS-G」を2018年12月に発売」も参照。