リスクコンサルティング会社のMS&ADインターリスク総研(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:中村光身)は2020年10月11日までに、「空飛ぶクルマの社会的受容性等に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
この調査は、空飛ぶクルマに対する消費者の意識や社会的受容性を把握し、商品やサービスの高度化と新たな開発に活かすことが目的とされており、調査は2020年9月に10~70代の男女1,000人を対象に、ウェブアンケート方式で実施された。
■「空飛ぶクルマ」という言葉を聞いたことがある人は?
「空飛ぶクルマ」という言葉を聞いたことがある消費者の割合は全体の64.1%で、年代別では、70代以上が73.7%と一番高く、40代が55.1%と一番低いという意外な結果となった。
背景には、1985年公開の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、過去の映画に空飛ぶクルマをイメージした乗り物の登場が影響していたことが考えられそうだ。
また、空飛ぶクルマについて解説した上で、実現すると思うかを質問したところ、「実現すると思う」と回答した割合は全体の57.8%だった。
■空飛ぶクルマへの期待は?:「移動時間の短縮」が最多
「空飛ぶクルマに対してどのようなことを期待するか」との質問に対しては、「移動時間の短縮」への期待が612人と最も多く、「渋滞のない移動」570人、「救命・救急医療の迅速化」341人と続いている。
また、空飛ぶクルマの離発着場として希望が多いのは、「駅」の410人をはじめ、「医療・福祉施設」349人、「自宅周辺」329人、「観光地」262人、「空港」255人となっている。
空飛ぶクルマを利用したい場面で最も多かったのは、「急いでいる場面」の384人で、「観光・娯楽の場面」289人、空港から目的地へ移動する際の負担を減らしたい場面」282人と続いている。
■空飛ぶクルマへの不安は?:「機体の安全性」が最多
自分が空飛ぶクルマに乗る場合、最も不安に思うことは「機体の安全性」が551人と1位で、次いで「自動操縦の安全性」521人、「トラブル発生時の対策」493人との回答が多かった。
また、安心感が増すと思う装備・機能について尋ねたところ、「緊急着陸機能」が695人で最も多く、以下、「緊急時状況・対処方法説明機能」530人、「緊急時通報機能」491人と続いている。
■【まとめ】期待の一方、不安も
消費者の多くは、空飛ぶクルマに対し「移動時間の短縮」や「渋滞のない移動」などを期待している一方、「機体の安全性」や「自動操縦の安全性」などについては不安に感じていることが分かった。今後、安全性の確保に向けた取り組みがより求められていきそうだ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。