自動運転業界の関係者はぜひ注目すべき製品が登場した。CuboRex社のクローラ動力ユニット「CuBase」だ。簡単に言えば、農地や雪上といった悪路環境で活躍するキャタピラーのような見た目の移動ユニットである。なぜ自動運転業界の関係者がこの移動ユニットに注目すべきなのか、解説していこう。
■悪路環境で活躍する「CuBase」とは?
まずCuboRex社とCuBaseの説明から。CuboRex社(本社:東京都荒川区/代表取締役 CEO:寺嶋瑞仁)は運搬器具や小型モビリティなどを開発している企業で、CuBaseは軽量かつ小型で一人でも簡単に持ち運びできる動力モジュールだ。
小型ながらも高い走破性があり、農地や瓦礫、雪道などでの走行が可能だという。動力機構を内蔵し、フレームが車体に取り付けられているため、複数のCuBaseの連結や追加フレームの増設なども簡単に行えるのも特長だ。
重さは3.5キロ、耐荷重量は20キロ、現在では農業用ロボットや運搬機、レスキューロボットの開発実験機としての用途があるという。
このCuBaseを開発するCuborex社は2013年設立のスタートアップ企業で、「道なき未知を切り拓く」をミッションに雪国や農地といった悪路環境で使えるモビリティや運搬器具の製造開発を行っている。
■なぜ、CuBaseが自動運転業界から注目されるべきなのか
本題に戻るが、ではなぜ自動運転業界の関係者がこの移動ユニットに注目すべきなのか。それは、自動運転車や自律走行ロボットには、どんな悪路でも軽々と走行できる「足」が求められるからだ。
未舗装の道路や雪道、水たまりのある道など悪路における細かなハンドル捌きは、自動運転システムにとっては一定程度ハードルが高い。そのため、悪路に強いCuBaseのような移動ユニットは自動運転業界としても注目なのだ。
CuBaseのような性能を持った「足」が自動運転車両や自律走行ロボットに取り付けられたときのことを想像してほしい。悪路を走行するときに自動運転のシステム開発者にとっていかに心強いことか…。
■【まとめ】自動運転技術とのつながりがなさそうでも…
一見して自動運転技術とのつながりがなさそうにみえる製品でも、CuBaseのように自動運転業界にとって有用なものもある。自動運転ラボとしても、そうした製品を今後発掘し、発信していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転見据えた「タイヤセンシング」最前線!TOYO TIREの取り組みは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)