自動車産業の今後を考える上で重要なキーワードとなる「CASE」。「Connected(コネクテッド)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared(シェアード)」、「Electric(電気自動車)」の頭文字を合わせた造語で、自動車の仕様や技術、利用方法が変化することの象徴としても、メディアで頻繁にこのワードが登場するようになった。
このようなキーワードの登場からもみて分かるように、自動車業界はいま大きな変革期を迎えているわけだ。そしてこの変革に合わせて税制も変えていく必要があり、日本でも2019年度に本格的にその中身が議論される。
特にシェアリングサービスの代表格とも言えるカーシェアの普及は、「保有」から「利用」へと自動車に関する消費者の行動を徐々にシフトさせていく。そんな中、今までは車体重量などを基準に決められていた税額について、今後は走行距離などに応じた課税にしていく方が適しているのではないか、という意見もある。
また、完全自動運転車の市販化や実用化にはまだもう少し時間が掛かるものの、各国や各社が実現目標として掲げる「2020年代」を控え、そろそろ本格的に税制について議論しておくことも重要だ。
CASE時代の到来で国は税制をどう変えていくのか。まず自民党と公明党が2018年12月14日以降に発表するとみられる2019年度の「与党税制改正大綱」の中身に注目したい。
【参考】関連記事としては「【最新版】自動運転車の実用化による10のメリットとは?社会や人への恩恵は?」「CASEとは? 何の略? 意味は? 自動運転、コネクテッド、シェアサービス、電動化」も参照。
ちなみに、自動運転社会が実現すると交通事故の減少や渋滞の緩和、運転からの解放、物流コストの低減などのさまざまなメリットを人々が享受できると言われている。日本政府もそうした理由から、手動運転車から自動運転車へのシフトを国をあげて進めることについて、これまで何度も方針を明文化して示してきた。となれば、いずれは自動運転車購入の優遇税制の導入などが行われることであろうことも予想できる。