2016年4月の設立以来、ソフトバンク子会社として自動運転サービスの開発・提供を手掛けるBOLDLY(旧SBドライブ)が、2019年度の実証実験の実績を公表している。
同社によると、2019年度に23回の実証実験を行い、計5413人が自動運転車両に試乗した。また、自動運転バスと遠隔監視者をつなぐ自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher」の接続走行距離は1万2019キロだったという。
■2019年の実証実績をピックアップ
2019年7月は東京都港区の公道で、仏ナビヤ社が開発した自動運転車両「NAVYA ARMA」の改造車両を使った実証走行を実施した。
この車両は道路運送車両法の「保安基準第55条」による基準緩和認定を受け、同社は「国内で初めて自動運転を前提に設計された車両を専用空間にすることのない公道で走行させることに成功しました」としている。
同年10月には、千葉県千葉市で配車バスに対応した最新バージョンのDispatcherによるオンデマンドでの走行を実施している。
2020年1月には、全天候型自動運転バス「GACHA」を手掛けるフィンランドのSensible 4社と協業を開始し、DispatcherとGACHAが接続することになった。同年4月からはフィンランドの公道で運行が始まった。
■2020年度、茨城県境町でのプロジェクトに注目
同社は2020年度は茨城県境町などの取り組みに力を入れていく。すでに茨城県境町と連携協定を締結し、自律走行バスの公道での定時・定路線運行というプロジェクトを進めている(当初は2020年4月に実用化の予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受け、半年間の延期を発表している)。
これまでの発表によると、使用予定のARMAを既に3台輸入しており、境町の走行予定ルートの3Dマップデータの収集・作成などの準備が完了しているようだ。実現すれば、最大15人乗りの3台のARMAが、片道2.5キロのルートを定時・定路で走行することになる。
自治体や海外企業との連携を深め、着実に実証実験も積み重ねるBOLDLYに今後も注目だ。
【参考】関連記事としては「国内初の”定路線”自動運転バス、半年延期も準備着々 BOLDLYが進捗発表」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)