「自動車」という日本語の名称の由来は「automobile」という英語にあると言われている。すなわち「auto(自動で)」と「mobile(動き回る)」という意味を組み合わせたものが「自動車」であり、内燃機関によって足こぎしなくてもよい構造から、そう呼ばれるようになったと考えられる。
ただ、いまの自動車業界では「自動運転」という新たな技術が開発されており、「自動」の概念がさらに昇華している。内燃機関によって「前(後ろ)に自動で進む」だけではなく、AI(人工知能)によってハンドル操作やブレーキ操作なども自動化されるようになりつつある。
ではこれからの時代、「自動車」という単語はどういったクルマのことを指すのが妥当なのだろうか。
■NewsPicksで寄せられたコメント
こんなことを考えていたら、自動運転ラボが先日公開した記事「ついに「ハンドルなし」のAI自動運転実証へ、米GMが初認可の獲得濃厚」について、NewsPicksでユニークなコメントを頂いた。それはクルマを「自動車」と「手動車」に分類してはどうか、というものだ。
一理ある意見だ。自動車メーカーが「自動車」と「手動車」という2つの名称を分けて使えば、消費者にとってはそのクルマに自動運転機能が搭載されているかが理解しやすい(一部自動運転が可能なクルマには「一部自動車」と言った名称をつければ良い?)。
いまは自動運転のクルマに関しては「自動運転自動車」などという言葉が遣われているが、確かに少し長ったらしく、漢字が続くことでおどろおどろしい感じもする。であればなおさら「自動車」と「手動車」に分けてしまってもいいかもしれない。
■ピッタリのネーミングが持つ力
実際に採用されるかは別として、こうしたアイデアは業界として歓迎していいはずだ。テクノロジーの進化で製品やサービスの強みや利点は大きく変わっていく。そんな中、こうした変化を象徴するピッタリのネーミングが生み出されれば、その製品やサービスの理解が世の中で促され、社会受容性が高まっていくことにもつながっていく。
2019年も今日(30日)を含めて残すところあと2日。来年2020年は自動運転業界でこうした「新語」が登場するかも、と思った。
【参考】関連記事としては「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)