日本政府は、2024年4月からライドシェアを部分的に解禁することを2023年12月に決定した。タクシー会社が運行を管理し、車両不足が深刻な地域や時間帯に絞って限定で解禁するという内容で、運転手はタクシー会社が雇用する。
この決定を受け、東京都内のタクシー会社で構成される東京タクシー・ハイヤー協会は、2024年4月から都内でライドシェアサービスの開始を目指すことを表明し、ガイドライン案を「日本型ライドシェア」として発表した。
これに伴い、早速、タクシー会社によるライドシェアドライバー募集が始まっている。具体的には、時給1,600円からの案件などがある。ライドシェア開始にあたり、人材獲得競争が始まる。
■そもそも日本型ライドシェアとは?
東京タクシー・ハイヤー協会はライドシェアサービスのスタートにあたり、ガイドライン案を「日本型ライドシェア」として2024年1月10日に発表した。
タクシー会社は、運転手とパートタイムなどの雇用契約を結ぶ。運転手は20歳以上70歳未満で、第1種運転免許(普通免許)の取得後1年以上であることが条件になる。運行と車両整備などについては、タクシー会社が管理する。使用するのは白ナンバーの自家用車で、通信型ドライブレコーダーと衝突被害軽減ブレーキの装備を必須とする。
つまり、人材と車両の管理はタクシー会社主導で行われる。そのため、タクシー会社はライドシェアドライバーを早めに確保しておくことが、日本型ライドシェアにおけるシェア獲得につながるのだ。
【参考】関連記事としては「ライドシェア「タクシー会社による雇用が条件」 政府方針、骨抜きの解禁か」も参照。
■ライドシェアドライバーの求人内容
タクシー会社各社は、すでにライドシェアドライバーの人材確保に動いている。どんな募集があるのか、具体的に紹介する。
日本自動車交通(東京都中野区)
日本自動車交通(東京都中野区)では、アルバイト・パートという雇用形態でライドシェアドライバーを募集中だ。時間や営業回数などのノルマや制約が無く、副業としてなどさまざまな働き方ができる。
応募には、運転免許取得後3年以上経過している、または21歳以上であるかのいずれかに当てはまることが必須条件となっている。ドライバー未経験やブランクがあっても応募可能だ。ドライバー経験者や車の運転が好きな人は、なお歓迎される。20〜50代まで幅広い年齢層で活躍でき、本業との両立も可能だという。
週に1〜5日勤務、勤務時間は1日4時間、週20時間が上限になるようだ。それを超える場合は、タクシードライバーでの勤務も提案されている。使用期間無しで、時給は1,600円から。車の運転が好きな人や慣れている人にとって、ぴったりの副業か。
▼ライドシェアドライバー【アルバイト】 – 東京都 中野区 大和町 – Indeed.com
https://jp.indeed.com/viewjob?jk=c247971382163c3e
三和交通(神奈川県横浜市)
また、三和交通(神奈川県横浜市)は「三和交通ライドシェア採用サイト」を公開し、ライドシェアのスターティングメンバーを募集している。詳細は近日公開予定のようだが、「こんな方を募集しています」として、5つのポイントを紹介している。
「運転が好きな方」「自家用車をお持ちの方」「隙間時間に働きたい、収入を増やしたい方」「東京、神奈川、埼玉近辺にお住まいの方」「新しいサービスに興味がある方」だ。
これらに当てはまり、少しでも気になる場合は、まずは気軽に問い合わせくださいとしている。問い合わせ例として、「車持っているけど、車種は何でもOK?」「ガソリン代はどうなるの?」「どういう勤務体系?」といったことが挙げられている。
▼ライドシェア採用サイト|三和交通
https://sanwakoutsu-nrs-recruit.com/
■限定解禁まであと2カ月と少し
一般のタクシードライバーでアルバイト勤務の場合、東京都では1,500円前後が一般的だ。タクシードライバーとして働くには二種免許が必要で、会社負担で取得可能としていることが多い。ちなみに、東京都内のフードデリバリーの時給は1,500〜2,000円が一般的なようだ。
ライドシェア限定解禁まであと2カ月と少し。日本型ライドシェアで働くドライバー人材が集まるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「GO、タクシー会社の「ライドシェア運転手」採用を支援」も参照。
【参考】関連記事としては「空いた時間に「タクシー運転手」に!ライドシェアの仕組み、いらないかも?」も参照。