米国発のポータブル電源メーカーであるJackery(ジャクリ)は、太陽光を自動追跡して発電量を最大化する「Jackery Solar Mars Bot(ジャクリ・ソーラー・マーズ・ボット)」をこのほど公開した。
AI(人工知能)や自動運転技術、光センサーを組み合わせ、最も効率よく太陽光を生み出すことができるコンセプトモデルで、4輪のロボット型になる。
■「未来のコンセント」のコンセプトモデル
Jackery Solar Mars Botは、太陽光発電、電力貯蔵、充電システムの3つを統合した、Jackeryの提案する「未来のコンセント」のコンセプトモデルだ。
上部にソーラーパネルを装備しており、自動的に太陽光を追跡するシステムが搭載されている。このシステムにより、晴天の日には手動での操作なしで自動移動することで発電量を最大化することが可能になる。
そして、より多くのエネルギーを生み出すだけでなく、高い太陽光変換効率を持つソーラーパネルとエネルギー貯蔵システムを組み合わせ、貯蔵して後から効率的に使用できる仕組みとなっている。
このボットには4Gモジュールなどの各種ポートが装備されており、アプリによる追跡と位置情報を介しての移動が可能だ。豊富なセンサーを搭載することにより、自律走行しながら効率的な走行経路を計画するという内容のようだ。
障害物を回避し、その場の地形に即座に適応することができるため、さまざまな屋外環境においても柔軟に対応するという。
■電源がない屋外で活躍する発電ボット
Jackery Solar Mars Botの使用用途として、中庭のパーティーや屋外のキャンプ、車中泊による長期旅行などが想定されている。電源がない屋外においても継続的に電力が提供されるため、さまざまなシーンでの活用が見込まれる。
なおこの製品は、米「TIME」誌が選ぶ「The Best Inventions Of 2023」のグリーンエネルギーカテゴリーにおいて選出されている。
■早期発売を望む声が増えていく?
Jackeryは「グリーンエネルギーをあらゆる⼈に、あらゆる場所で提供する」というビジョンのもと、2012年に米カリフォルニア州で誕生した。2016年に世界初となるアウトドア⽤ポータブル電源を発売、2018年には世界初のポータブルソーラーパネルを開発している。2019年にはJackery Japanを設立した。
同社は、Amazon最大のECイベント「Amazon ECサミット」の「Amazon.co.jp 出品者アワード2021」において、イノベーティブブランド賞を受賞した。
また現在、国立科学博物館で開催されている関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ -未来へつなげる科学技術-」にて、同社のポータブル電源とソーラーパネルの展示を行っている。
いまのところ、Jackery Solar Mars Botの発売日は未定だというが、このコンセプトへの注目度が高まれば、早期発売を望む声も増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「住友ゴムが「自家発電するタイヤ」!センサー向けに電力供給」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)