ダイハツ、タントを自動運転化!「狭い道」に強い軽自動車

神戸市北区の住宅地で実証走行中

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実証実験で使用する車両「タント」と走行ルート=出典:ダイハツプレスリリース

ダイハツ工業株式会社(本社:大阪府池田市/代表取締役社長:奥平総一郎)が、神戸市北区の住宅地で自動運転の実証走行を2023年3月6〜24日に実施している。

兵庫県神戸市が2018年から進めている「地域に活力を与える地域交通IoTモデル構築事業」の一環として行うもので、この事業は内閣府の未来技術社会実装事業に採択されている。

ダイハツといえば、軽自動車やコンパクトカーのイメージが強い。今回の実証では、軽自動車「タント」をベースとした自動運転車両を使用している。

丘陵住宅特有である坂が多く道幅が狭い環境での自動運転の実証走行はあまり行われていない。同社は、そういった環境には軽自動車やコンパクトカーが適していると考えおり、技術やノウハウの蓄積を図ってくという。

■近距離移動手段としての自動運転軽自動車

実証が行われる神戸市北区筑紫が丘を中心としたニュータウンは、住民の高齢化と公共交通機関の縮小により、買い物や通院などの移動が困難な地域で、手軽に利用できる近距離移動手段の確保が求められている。

実証では、一般道で実際に一般利用者の乗車を想定し、自動走行技術や安全性の確認を行う。さらに、小規模の利用者数でも成立する安価な車両予約の仕組みを活用したオンデマンド配車の試行も行うという。地域に根ざしたサービス性を検証するために、同地区で活動するNPO法人のスタッフが試乗する。

また、この実証では日本総合研究所が「自動走行ルート上で起こりうる事故リスクの可視化」を、あいおいニッセイ同和損害保険が「走行ルートのリスク評価ツールに よる走行経路のリスク評価およびダイハツの自動運転車両を用いた場合のリスク評価の妥当性検証」といったリスク分析を担当する。

なおダイハツを含めた3社は、2018年から同地区で乗合送迎サービスや地域活性化施策、人手不足の解消につながる自動運転などの実証実験を行っている。

■いずれは軽自動車にも自動運転化の波

いずれは軽自動車も自動運転化することは予測できるものの、まずは一般乗用車やトラックからというイメージの強い自動運転。今回ダイハツの軽自動車が実証を行うことで、軽自動車の自動運転がより具体的に想像できるようになった。

引き続きダイハツの挑戦に注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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