名古屋鉄道株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:髙﨑裕樹)が、現行の公式アプリ「名鉄Touch」を大幅にリニューアルする。2022年3月26日に、愛知県や岐阜県を中心としたエリア版MaaSアプリ「CentX(セントエックス)」として生まれ変わるという。
将来的には多様なパートナーとの協業により、さまざまな規模の別なMaaSサービスとの連携も模索していく計画のようだ。
従来型のアプリをMaaSアプリにリニューアルする取り組みとしては、東京メトロの先行事例がある。2020年8月、既存のアプリをMaaS化した「東京メトロmy!アプリ」を公開した。
MaaSがビジネストレンドとして注目を集める中、東京メトロや名古屋鉄道のようなアプリのMaaS化の取り組みは増えていきそうだ。
■既存の機能に加わる5つの新機能とは?
CentXは「いつものお出かけがもっと楽しくなる。どこでも自由で、スマートな体験」を届けるべく、中部圏のさまざまな交通・生活・観光サービスをシームレスかつストレスフリーでつなぐアプリだ。既存の「名鉄Touch」の機能はすべて継承され、次の5つの新機能が加わる。
- 地点検索・マルチモーダルルート検索
- おでかけ情報
- CentX webチケット
- マイ駅・マイバス停
- 交通系IC残高
1つ目は「地点検索・マルチモーダルルート検索」で、地図上の任意の地点から鉄道やバス、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなどの公共交通機関を組み合わせた最適経路を導き出す。
2つ目は「おでかけ情報」で、地図上でジャンルやフリーワードから近くのお店やレストラン、おでかけスポット、イベント情報などを探せる。検索したおでかけスポットへの現在地からのルート検索もできる。
3つ目の「CentX webチケット」は、アプリで経路検索した結果から移動と観光がセットになったチケットや、バスや船舶で利用できるフリー切符などをキャッシュレスで購入できる。目的地で利用できるお得なクーポンもある。
4つ目は「マイ駅・マイバス停」だ。普段よく使う駅やバス停を登録しておくと、アプリ起動後すぐに現在時刻から直近3本の電車やバスの運行情報にワンタッチでアクセスできる。5つ目は「交通系IC残高」で、アプリ上でIC残高を確認できる。
■リニューアルの際に意識すべきことは?
従来のアプリをMaaSアプリとしてリニューアルする際には、本当に必要とされる機能を実装することのほか、UI/UXなど利用者の使いやすさを意識することが非常に重要だ。
自動運転ラボではこれまでに、MaaSアプリに対するユーザーの評価などをまとめた記事を以下の通り公開しているので、参考にしてみてほしい。
▼「運賃で二重決済」「通信で300MB」 MaaSアプリに不満感
https://jidounten-lab.com/u_34306
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)