山口第一交通グループ(本社:山口県下関市/代表取締役社長:坂田和美)の子会社2社が、地方における交通インフラの活性化を目指し、AI(人工知能)を活用した乗り合いタクシーサービス「Noruuu(ノルー)」の実証実験を2019年4月に実施する。
子会社2社は、システム開発事業を手掛ける株式会社REA(本社:東京都中央区/代表取締役:坂田敬次郎)と、タクシー事業を展開している「いさむや第一交通」(本社:山口県山口市/代表取締役社長:坂田和美)。
Noruuuはユーザーがスマートフォンのアプリや電話で乗り降り場所と時間を指定すると、AIが最適な車両を割り出して配車するというオンデマンドタクシーサービス。実験は実際に地域住民が利用できる形で行われる。実施期間とエリアは以下の通り。
▼実験内容
期間:2019年4月1日〜4月26日の平日
利用可能時間:午前10時〜午後5時
場所:山口市内の湯田温泉駅半径3kキロ以内
通常のタクシー配車とNoruuuの最大の違いは、複数人での乗り合い移動ということだ。AIが複数ユーザーの最適なルートを計算し、移動コストを分割することで低価格で利用できる。また車内では協力企業の動画広告を配信し、広告収入で収益を上げる運営方式をとり、実験エリア内の利用料金は1運行200円と低価格に抑えた。
今回の実証実験に協力する地元の4企業6店舗にいは配車予約ができるタブレット端末が設置され、店舗の従業員が来店客に使い方を説明するなどして利用を促す。タクシー車内ではクーポン券の配布を行い、利用者が店舗を利用することで相乗効果も期待できる。
今回はグループの親会社がある山口県に限定しての実験となるが、将来的には広い地域でサービス展開し、地方の活性化を目指す方針だという。地域住民の足としてだけではなく、観光エリアでの移動手段としても期待できそうなサービスだ。
【参考】似た取り組みは他のエリアでも行われている。関連記事としては「札幌で「観光あいのりタクシー」の実証実験 AIで効率的運行実現」も参照。