自動運転ロボットで農業の効率化を目指す株式会社レグミン(本社:東京都中央区/代表取締役:成勢卓裕、野毛慶弘)は2019年1月30日までに、独立系ベンチャーキャピタル(VC)のインキュベイトファンド(本社:東京都港区/代表:赤浦徹、本間真彦、和田 圭祐、村田祐介)を引き受け先とする第三者割当増資で、1億円の資金調達を行ったと発表した。
現代の農業界では、収益性の低さや後継者不在による労働力不足といった問題が深刻化している。「重労働なのに稼げない」というイメージのせいで、新規の若手就農者が増えないのも原因の一つだ。こうした農業界が抱える問題解決方法の1つとして、自動運転技術の導入に注目が集まっている。
レグミンは農作業を自動化するロボットを開発し、効率化による収益の増加や農家の作業負担軽減を目指す。今回の資金調達により、小松菜の栽培コスト75%削減を目標に掲げ、種まきから収穫までを自動化するプロジェクトを進める。
開発中のロボットは農地を自動走行し、種まき、農薬・肥料散布、収穫作業のすべてを1台の機械が自動で行うことができるという。AI(人工知能)を活用した画像解析で農作物の成長状況の把握や、病気の早期検出など品質管理も可能だ。実用化されれば機械費と人件費の削減につながり、農家が収益を上げやすくなる。
レグミンは2018年5月設立のスタートアップで、「農業をデザインする」をテーマに事業を進めている。代表取締役の成勢氏は「テクノロジーを活用することで若手就農者を増やし、日本の農業を次の世代と世界に広げていきたいと考えています」とコメントしている。ロボットとAI開発だけでなく、農地の調達や流通販売まで一貫してサポートし、日本農業界の発展に取り組む姿勢だ。
インキュベイトファンドは創業段階のスタートアップやベンチャーへの投資で300社以上の実績を持つ投資会社だ。今回の出資について代表の一人である赤浦氏は「レグミン社の事業は後継者不足や耕作放棄地の増加など、日本の農業が直面する問題を解決する社会的意義の大きな事業になると考えており、共に事業成長に取り組んでまいります」と述べている。
【参考】関連ニュースとしては「【各社戦略まとめ】自動運転農業機械に秘めた可能性 スマート農業市場、2025年に120億円市場」も参照。