JALなど3社、東京都内で「空飛ぶクルマ」の運航実証実施へ

都の2022〜24年にかけてのプロジェクト

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三菱地所、日本航空、兼松の3社はこのほど、東京都内で「空飛ぶクルマ」の実証実験を実施することを2022年8月4日に発表した。

東京都の「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」の一環で行うもので、2022~2024年の3年間にわたってビジネスモデルの検証や運航実験が行われる予定だ。

実証は段階的に進められていく。最終的には、2024年に東京都内で空飛ぶクルマを使用した運航実証や離着陸場オペレーションの検証が行われ、社会実装につなげたい考えだ。

■プロジェクトの概要は?

「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」とは、東京都内での空飛ぶクルマ運航実現を目指し、東京都が民間企業の事業を支援する取り組みだ。外部有識者などによる審査を経て、今回は3社によるプロジェクトが採択された。

3社はこのプロジェクトを通じて東京都における空飛ぶクルマの実装に向けた検討を行い、東京都や日本社会全体が抱える課題解決を目指す。

なお、3社それぞれの役割としては、三菱地所はプロジェクト全体の取りまとめ役となり、不動産アセットなどの空飛ぶクルマ用離着陸場実装に向けた課題、解決策の提示、運航実証を行うロケーションの提供を担う。

日本航空は運航サービスビジネスモデルの検討や運航・離着陸オペレーション実証の企画、兼松が海外での技術、規制動向などの提供や、離着陸場運営サービスにおけるビジネスモデルの構築などを行う予定だ。

出典:JALプレスリリース
■プロジェクトのスケジュールは?

3年間に及ぶプロジェクトは、1年ごとに目標が定められている。まず、2022年度は都心の主要拠点を結ぶ移動サービス、空港からの二次交通、離島地域の移動サービスや遊覧飛行など、都心でのさまざまな利用シーンを検討する。そして2023年度にはヘリコプターでの運航実証、2024年度には空飛ぶクルマの運航実証という流れだ。

出典:JALプレスリリース

初年度の2022年度は、実装に向けた課題の整理やビジネスモデル検討の調査として、建物が密集する都内での離着陸場設置場所や運航コスト、事業の持続性などを検討する。

2023年度は、ヘリコプターを使用して都市内アクセスや遊覧飛行の実証を行う。具体的には、三菱地所が運営する施設を中心に2カ所のヘリポート設置を検討し、各ヘリポートでの遊覧飛行やヘリポート間の移動・チャーター便を提供する。

2024年度はいよいよ本格的に空飛ぶクルマの運航実証に取り掛かる。前年度に運用したヘリポートを中心に、英Skyports社の協力のもと、空飛ぶクルマ用離着陸場の設置検討や運航実証、地上オペレーションの検証を行う。

■空飛ぶクルマがいよいよ実用化へ

世界各国で開発が進められている空飛ぶクルマ。都市部の渋滞解消や山間部などの移動手段確保、災害時の迅速な対応など、さまざまな社会問題解決への期待が大きい。

日本では、空の移動革命に向けた官民協議会を中心に、2025年ごろからの商用運航や社会実装に向けた検討を行っており、大阪・関西万博でも飛行が予定されている。

今回のプロジェクトを通じて、東京をはじめ日本全国への空飛ぶクルマ普及へ大きく前進することに期待したい。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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