エアモビリティ向けのインフラ事業を展開する英Urban-Air Port (UAP)は2022年5月4日までに、空飛ぶクルマや空飛ぶタクシー向けのエアポートとして「Air-One」を、イギリス中部の都市コベントリーでオープンした。
デモンストレーション向けのもののようだが、同社は空飛ぶクルマ向けのこうしたエアポートがオープンしたのは「世界初」としている。Urban-Air Portは今後5年間で世界で200拠点以上を設ける計画を立てている。
報道発表によれば、Air-Oneの開設はイギリス政府の支援も受けて実現したという。イギリス政府はクリーンな輸送手段の確立に尽力しており、eVTOL(電動垂直離着陸機)である空飛ぶクルマは温室効果ガスを出さないことなどから、同社を支援したものと考えられる。
■組み立て簡単?円錐台のエアポート
Air-Oneは円錐台(※プリンのような形のことを指す)のエアポートで、Urban-Air Portが公開した動画によれば、容易に組み立てが可能な構造となっている。
地面からエアポートの頂上にかけては階段が設置され、円錐の中の空間は空飛ぶクルマの利用者の待合ロビーなどとして機能するようだ。詳しくは以下の動画を観てみてほしい。
Urban-Air Portの創業者であるRicky Sandhu氏は今回のAir-Oneのオープンに関して「記念すべき瞬間」と述べた上で、「新しい交通の時代、ゼロエミッションの時代、都市間・都市内の渋滞のない移動の時代、そして人々をかつてないほど健康に、幸せに、そしてより密接に結びつける時代への出発点だ」と語っている。
ちなみに同氏によれば、Air-Oneは設計・製造・運用の工程を15カ月で終えたという。
■ライバル企業たちも今後続々オープン?
空飛ぶクルマの機体の開発を進める企業が目立ってきたが、同時にUrban-Air Portのように空飛ぶクルマのインフラに着目して事業を展開する企業も増えている印象だ。
このような中、Urban-Air Portが「世界初」の称号を得たとしても、業界をリードする存在になれるかどうかは分からない。今後、ライバル企業たちも続々と同種のエアポートをオープンするものとみられるからだ。
空飛ぶクルマ業界の今後に引き続き注目だ。
▼Urban-Air Port
https://www.urbanairport.com/
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2022年最新版) 実現時期や技術的要件は?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)