長崎空港とハウステンボス、「空飛ぶクルマ」で結ぶ構想

観光客の移動手段として活用

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長崎空港とハウステンボスを「空飛ぶクルマ」で結ぶ——。長崎県がこんな構想を立てていることが、2022年4月7日までに分かった。

長崎空港とハウステンボスがある地域までは、自動車で移動すると約40キロだが、空を飛ぶ直線ルートだと22キロで、渋滞などに巻き込まれることもないことから、スムーズな移動が期待できる。そして「空飛ぶクルマに乗る」こと自体も、観光コンテンツとなりそうだ。

空飛ぶクルマに関しては、大阪府も2025年の万博で関西国際空港と会場を結ぶ計画を進めており、「空港からの直行便」として空飛ぶクルマを使うアイデアが、日本各地で2020年代に続々と現実のものとなるかもしれない。

出典:長崎県/経済産業省(※クリックorタップすると拡大できます)
■ハウステンボスへの交通手段に

冒頭の構想が紹介されている資料は、長崎県企画部次世代情報化推進室が作成した「次世代空モビリティによる地勢的条件不利の克服に向けて」という資料だ。

▼次世代空モビリティによる地勢的条件不利の克服に向けて
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/pdf/08_nagasaki.pdf

この資料によれば、「空飛ぶクルマ」の活用イメージは全部で4つあるという。冒頭触れたのはこの1つ目で、ハウステンボスや、将来的に整備や導入が目指されている「九州・長崎IR」へ訪問する際の交通手段として、空飛ぶクルマを活用する案だ。

2つ目は、県の主要産業の1つである観光業においての活用だ。長崎には異国情緒ある街並みや文化、風光明媚な景色、夜景など魅力的な観光資源が多い。こうした観光を楽しむ際に空飛ぶクルマを使えば、渋滞に巻き込まれることなく効率よく長崎を周遊できるという。

3つ目は離島や中山間地域などにおける地域交通として活用する案、4つ目は夜間救急や災害発生時などに救急搬送手段として活用する案だ。

■社会実装できた場合のメリットはさまざま

離島や中山間地域が多く、かつ観光産業が主要産業の1つである長崎県。空飛ぶクルマを社会実装できた場合のメリットはさまざまある。今後プロジェクトがどのように進んでいくのか、注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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