自動運転サービスの日本展開を目指す米WaymoやUber Technologiesらの国内求人が本格化しているようだ。多くは具体的な待遇が公表されていないが、本国では数千万円がスタンダードな水準で、中には1億円プレイヤー(エンジニア)も登場しているようだ。
将来、日本でも1億円クラスの自動運転エンジニアが誕生する日は訪れるのだろうか。自動運転求人とともに、業界動向に迫る。
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記事の目次
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■海外自動運転開発企業の日本求人
Waymoをはじめ各社が日本で人材採用
Waymo公式サイトの求人を調べたところ、東京勤務は14件ヒットした。日本市場の運営責任者をはじめ、ビジネス開発・戦略的パートナーシップリーダー、フィールドセーフティエンジニア、フリート責任者、主任弁護士などの法務チーム、広報など、バラエティ豊かな人材を募集しているようだ。
▼Waymo公式サイトの求人
https://careers.withwaymo.com/jobs/search?query=japan
【参考】関連記事「Googleの自動運転部門、ついに日本で求人!気になる年収は?」も参照。
一方、Uber Technologiesの公式サイトでは、東京勤務の求人は54件ヒットした。大半はプラットフォーマーとしてのUber本来の求人だが、1件だけ、日本における自動運転車フリート運用責任者の募集も開始したようだ。
Uberの自動運転フリート運用戦略の策定と実行を支援し、新たに参入した市場における自動運転サービスの大規模展開に取り組んでいく内容だ。こちらも待遇は不明だ。
▼Uber Technologies公式サイトの求人
https://www.uber.com/jp/ja/careers/list/?location=JPN–Tokyo
このほか、日産と手を組んで日本進出を測る英Wayveも、東京・横浜勤務の求人22件を公表している。自動運転タクシー技術運用や戦略的パートナーシップマネージャー、アプリケーションソフトウェアエンジニア、機械学習マネージャー、ITサポートエンジニアなど職種は多岐に及ぶ。
▼Wayve求人
https://jp.indeed.com/q-wayve-japan-%E6%B1%82%E4%BA%BA.html?vjk=95c5764463de4f0f
中国WeRideも国内求人を出しているようだ。香川県坂出市の自動運転実証にBOLDLYが関わっており、運行車両にWeRide製Robobusが採用されたようだ。
求人は事業開発マネージャーで、AIデータサービスの国内外事業開発を担当し、年間事業計画の策定・実行、事業目標・業績指標の達成に取り組むといった内容だ。
▼WeRide求人
https://www.linkedin.com/jobs/view/bd-manager-japan-at-weride-4121274492/
自動運転開発に携わるチャンスはまだまだ残されている?
海外開発勢が日本展開を目指すうえで、現地スタッフは必要不可欠となる。多くの場合、本丸となる自動運転開発は本国の本拠地で行うこととなり、海外では現地における戦略策定や運用に向けたパートナーシップの構築、関係機関との調整、運行関連業務などが中心となる。
花形となる自動運転開発に直接携わるには、当然本社に乗り込むのが近道となるが、海外展開に伴い距離が縮み、日本のエンジニアと結びつくきっかけも増加するものと思われる。
また、ルールベースであれエンドツーエンドベースであれ、当面は新たな交通環境下における実証と開発は欠かせない。新天地において、一部機能・システムを本社から独立させる形で開発を進めることもあるだろう。
Waymoなどの自動運転技術は実用化域を満たす水準にすでに達しているが、その開発はまだまだ終わらない。エンドツーエンドが実用化域に達した後も、まだまだ開発は続くことになる。99%の安全性を限りなく100%に近づけていく努力を怠ることはできないためだ。
各国のエンジニアにも、花形の自動運転開発に携わるチャンスはまだまだ残されているはずだ。
■自動運転エンジニアの待遇
Waymoは報酬1億円超のエンジニアも
待遇が気になるところだが、日本国内の求人では多くが公開されていない。職種・業務内容に大きく左右されるのは当然だが、どれほどの水準なのだろうか。
例えば、Waymoの米国内求人の場合、15万ドル(約2,300万)~35万ドル(5,500万円)の範囲に集中している。
機械学習エンジニアなどの純粋なエンジニア系が特に高待遇となっている。戦略ビジネスプログラム担当プログラムマネージャーや規制報告プログラムマネージャーなども、約2,400万~3,000万円となっている。
日本とは給与水準そのものが異なるため単純比較できないが、米国ではこの水準で求人が出されている。
また、各企業の給与水準を収集・公開しているプラットフォームLevels.fyiによると、Waymoのソフトウェアエンジニアは3,600万円~1億4,200万円の水準にあるという。
エントリーレベルで3,600万円、役職が上がっていくにつれ給与も増加し、シニアクラスで約7,000万円、シニアスタッフで約9,800万円、さらに上、おそらくプリンシパルクラスと思われるが、そこまで上がると1億4,200万円……といった実例があるようだ。
▼Levels.fyiに掲載されているWaymoの給与水準
https://www.levels.fyi/ja-jp/companies/waymo/salaries
こうした給与=報酬には、株式報酬が含まれている場合も多い。業績・成果が上がれば報酬も目に見えて増加する。新興勢ならではの待遇と言えるだろう。
こうした給与水準は、ビッグテックや超有力スタートアップと同等と言える。テスラやアップルなど競合するテクノロジー企業とのエンジニア引き抜き合戦は依然として続いており、優秀なエンジニアを確保するには高待遇が必須となるためだ。
以前はパーセプション技術など自動運転に特化しやすい技術開発力が問われがちだったが、近年は生成AIを含めあらゆるAI開発能力が求められるようになってきた。自動運転開発を行っていないテック企業のエンジニアを交えた争奪戦が今後さらに激化するのかもしれない。
エンジニアの高待遇はまだまだ続く
では、なぜ自動運転エンジニアは高待遇なのか。一つは、未完成の新領域ゆえだ。先人たちの努力で一定のベースは築かれたものの、やっと土台が完成したレベルであり、その先は建築途中だ。
しかも、建築途中ながらエンドツーエンドというアプローチの異なる工法が考案され、ほぼすべての企業が再び土台作りに躍起となっているのが現在地だ。
未知の領域を研究開発するには、絶対的に即戦力の精鋭が必要になる。長く続くだろう開発競争においては、常にトップ集団で走り続け、時に自らルートを開拓していくようなトップエンジニアが必要なのだ。
トップを走ることができる実績を持つエンジニアは当然最初から高待遇で役職に就くが、将来伸びる可能性があるエンジニアも青田刈りし、確保しておかなければならない。
開発競争が続く限り、自動運転エンジニアの待遇は高水準が維持されることになる。また、本格実用化×IPOで業績も株価も上がれば、待遇はさらに上向くことになるだろう。
自動運転市場は近い将来一大産業に
では、自動運転開発企業はなぜそこまでして開発競争を繰り広げるのか。人件費をはじめとする膨大な開発費は業績そっちのけで赤字を垂れ流す。Waymoをはじめとする開発勢のほぼすべてがいまだに赤字で、出資頼みの経営を続けている。
Waymoの累積赤字は軽く1兆円を超えているものと思われるが、潤沢な出資が開発を支え、企業評価額は20兆円規模に達している。
世界最高峰の技術とグーグル系列という信頼感が投資家を呼び寄せているが、その根底にあるのは自動運転市場の将来性だ。
民間市場調査会社SNS Insiderは、自動運転タクシーの市場規模は2030年までに986億ドル(約14兆8,000億円)に達すると予測している。投資運用会社の米ARK Investは、自動運転タクシー市場は2030年までに世界全体のGDPを年間26兆ドル(約3,600兆円)押し上げると推測している。
Uberのダラ・コスロシャヒCEOも、自動運転タクシー市場は将来1兆ドル(約160兆円)に達するとの見方を示している。自動運転タクシー市場だけでこの規模だ。
自動運転は人やモノの移動に変革をもたらす
並行して自動運転化されるバスやトラック、そして膨大な市場を要する自家用車が無人化する未来を考えると、その潜在力は計り知れない。道路交通のすべてが無人で運行可能なモビリティとなる未来だ。
ドライバーという概念がなくなり、移動・輸送サービス分野ではコスト革命が起こる。現時点では有人タクシーとほぼ変わらない運賃設定が多いが、1人のオペレータが数十台、数百台規模の車両を管理できる水準に達すれば、おのずと運賃も低下し、より利用しやすいサービスとなっていく。
自家用車がレベル5領域に達すれば、運転免許は不要となり、子どもも高齢者も自由に移動することが可能になる。そのころには自動運転タクシーが格安で利用可能になっており、徐々に自家用車のシェアを奪っていくことも想定されている。自家用車という存在が特別なものとなり、多くは移動サービスにシフトしていくのだ。
道路交通における移動そのものにイノベーションが起こり、移動に結び付けた派生サービスが続々と誕生していく。移動の負担が軽減されることで、都市内における商業物件や住宅の立地などにも変化が起こるだろう。
移動は人間生活・社会に欠かせない絶対的要素であり、自動運転はこの移動を刷新する将来技術だ。あらゆる分野に波及し、その経済効果は計り知れない。その分野で覇権を握るためには、人材確保面でケチっている場合ではない――ということだ。
【参考】関連記事「自動運転車の市場調査のレポート一覧 ロボタクシー・バス・トラックはどうなる?」も参照。
■【まとめ】優秀な開発エンジニアが集う環境づくりを
現在は、Waymoら一部企業が自動運転タクシーなどのサービスを限定的に提供している初歩段階に過ぎないが、20年、30年後、道路交通上のモビリティの大半が自動運転化した未来を想像してほしい。自動運転は、移動を担う社会インフラにイノベーションを起こす一大技術となるのだ。
かつての自動車産業然り、携帯電話然り、インターネット然り。社会を大きく変えるソリューションには巨万の富が流れ、一大産業と化していく。現在は投資局面の色が強いが、すでにビジネス化は始まっており、2030年代には大きな潮流となることはほぼ間違いない。
日本は国を挙げて自動運転時代の主導権奪取に向けた取り組みを進めているが、優秀な開発エンジニアが集う環境づくりにももっと力を入れるべきなのかもしれない。
【参考】関連記事としては「自動運転技術者の平均年収、日本は712万円、米国はインターンに2,000万円」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)